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【特許・意匠ニュース】
イギリスがUPC協定を批准、欧州統一特許制度の実現までの道のりは?

2018/05/18 特許/実案 欧州 法改正

2018年4月26日、イギリスが16ヶ国目の欧州統一特許協定(UPC協定)批准国となった。欧州統一特許制度の開始にはドイツ、イギリス、フランスの3ヵ国を含む13ヶ国によるUPC協定の批准が必須とされているが、これで、残るはドイツによるUPC協定の批准のみとなった。

ドイツでは、憲法裁判所で係属中のUPC協定違憲申立により、UPC協定批准のための大統領署名が保留されている状況。憲法裁判所は、このUPC協定違憲申立について、年内決着予定と発表している。

一方、UPC協定を批准したイギリスにもまだ壁が残っている。2019年3月29日に予定されているEU離脱である。統一特許裁判所(UPC)は、ドイツの大統領署名の時点で、UPC協定を暫定適用し、裁判官の採用活動等のUPC開始のための準備を進めることが可能となるが、この準備には最短でも6ヶ月程度の期間を要するとされている。ドイツによるUPC協定の批准は、大統領署名後、暫定適用期間を経てUPC開始の準備が整ったタイミングで行われる見込みだ。欧州統一特許制度の開始の少なくとも3ヶ月前には、UPCの専属管轄の適用除外(オプトアウト)の事前申請が始まる。しかしその頃には、イギリスによるEU離脱目前、またはEU離脱後となることも十分に考えられる。イギリスがそもそもEU離脱後にどのような形でUPCの枠組みに参加していくのか、それとも、参加できなくなるのかは明らかとなっていない。

弊社の欧州統一特許チームでは引き続きUPC関連の動向をモニタリングしていく次第である。

(記事担当:特許第1部 髙橋 (欧州統一特許チーム))

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