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【商標NEWS】
 アメリカ、共存同意契約書を重視した審決

2018/10/11 商標 米国

アメリカ
2018年10月3日 共存同意契約書を重視した審決


本年10月3日、米国特許商標庁審判部(TTAB)は、出願人と引用商標権者との間で締結された共存同意契約書の取り扱いに関して、重要な審決(In re American Cruise Lines, Inc., Serial No.87040022)を出しました。この審決において、TTABは以下のように述べています。

「審査官は、提出された同意書及び共存同意契約書には混同を回避するための努力・対応策が記載されていないため、naked consentsであり証拠能力がないと言っているが、そのような記載は同意書及び共存同意契約書の証拠能力にとって重要ではない。提出された共存同意契約書の方は、出願人と引用商標権者の双方が混同のおそれがないと信ずる理由が明記されているため clothed consentとして証拠能力を有する」

従って、この審決が先例となり、同意書及び共存同意契約書には、混同を回避するための努力・対応策の記載は、望ましいとはいえるが重要な要件ではなくなるということが重要です。

本件は、39類のクルーズシップサービス(cruise ship services)を指定役務とする商標「AMERICAN CONSTELLATION」の出願に対して、同じクルーズシップサービスを指定役務とする登録商標「CONSTELLATION」及び「CELEBRITY CONSTELLATION」(同一名義)が引用されたため、出願人は最初の意見書とともに引用商標権者の同意書を提出し、更に再考請求の際に当該商標権者との共存同意契約書を提出して反論したものの拒絶査定となったため、TTABに対して拒絶査定不服審判を提起していたケースです。TTABは、審決において以下のように結論づけました。

「商標が類似しており、役務が同一であり、かつ取引経路及び消費者クラスが同じであると判断する場合であっても、クルーズシップサービスの消費者は異なる巡航路の船舶に似たような名前を使用している業界の慣行を知っているために高い注意力を払っていること、更に出願人と引用商標権者が同意書及び共存同意契約書を締結していることにより、「AMERICAN CONSTELLATION」と「CONSTELLATION」及び「CELEBRITY CONSTELLATION」は混同を生じるおそれはないと認定する」

(商標部 研壁)

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