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冷凍機や空調機に用いるHFO冷媒及び炭化水素冷媒に関する特許出願動向(後編)

2014/11/17 特許/実案 技術動向

 モントリオール議定書や京都議定書の採択に応じて、冷凍機や空調機の分野においてもオゾン層破壊や温暖化など地球環境への影響の少ない冷媒開発の試みが続けられてきた。
 前回HFOに関する日本特許分析に引き続き、炭化水素冷媒についての分析を行った。
 Based on adoption of the Montreal Protocol and the Kyoto Protocol, in the fields of refrigerators and air conditioners, attempts to develop refrigerants having little influence on the global environment such as ozonosphere disruption and global warming has been made.
Following to the previous report about patent trends about HFO refrigerants, we analyzed patent trends concerning the hydrocarbon refrigerants.
(Patent Landscape About HFO Refrigerants and Hydrocarbon Refrigerants Used for Refrigerators and Air Conditioners -Part II)

(炭化水素冷媒)
分析対象の830件中、炭化水素冷媒に関する特許として284件を分類し、特許出願動向を以下にまとめた。
下図は、炭化水素冷媒関連特許、特許出願の推移である。
炭化水素冷媒の出願推移に関しては、特に顕著な増加や、出願のピークがある年代などは確認されない。
今回の分析対象は存続中の特許、特許出願を対象としているため、既に消滅した権利を考慮すれば、出願件数自体の推移における増加傾向はより小さいものと考えられる。
炭化水素関連の特許及び特許出願(係属中)について、発明の特徴が(1)冷媒自体に関するもの、(2)冷凍機油に関するもの、(3)冷媒の作動条件や取扱いに関するもの、(4)冷媒を使用した機器に関するものに分類分けを行い、件数推移を作成した図が以下のとおりである。
 炭化水素冷媒を使用した装置に関する出願は、90年代後半から継続的に出願が提出されていることがわかる。冷凍機油に関しては、2007年に顕著なピークが確認された。



次に、炭化水素冷媒関連特許の各4分類での出願人ランキングを以下に示す。

(1)冷媒(Refrigerant)
順位 出願人・権利者 件数
1 JX日鉱日石エネルギー(JX Nippon Oil & Energy Corporation) 23
2 イー・アイ・デュポン(E. I. DuPont) 11
3 アルケマ(ARKEMA) 7
4 セントラル硝子(Central Glass Co., Ltd.) 6
5 メキシケム、アマンコ、ホールディング(Mexichem Amanco Holding) 4
5 ハネウェル・インターナショナル(Honeywell International Inc.) 4

(2)冷凍機油(Refrigerating Machine Oil)
順位 出願人・権利者 件数
1 JX日鉱日石エネルギー(JX Nippon Oil & Energy Corporation) 30
2 出光興産(Idemitsu Kosan Co., Ltd.) 22
3 ジャパンエナジー(Japan Energy Corporation) 5
4 旭硝子(Asahi Glass Co., Ltd.) 2
4 ワールプール・エシ・ア(Whirlpool S.A.) 2

(3)作動条件(Operating Condition/Use/Handling)
順位 出願人・権利者 件数
1 アルケマ(ARKEMA) 2
1 イー・アイ・デュポン(E. I. DuPont) 2
3 エクソンモービルアップストリームリサーチ(ExxonMobil Upstream Research Company) 1
3 旭硝子(Asahi Glass Co., Ltd.) 1
3 三菱電機(Mitsubishi Electric Corporation) 1

(4)装置(Apparatus)
順位 出願人・権利者 件数
1 パナソニック (Panasonic Corporation) 41
2 三菱電機(Mitsubishi Electric Corporation) 37
3 東芝キヤリア(Toshiba Carrier Corporation) 9
3 日立アプライアンス(Hitachi Appliances, Inc.) 9
3 デンソー(Denso Corporation) 9


(外国特許分析)
 本件技術に関連し、米国、欧州特許、中国、インドを出願国に持つ特許ファミリ、1026件を対象として分析を行った。
 分析対象の1026件の特許ファミリ中、HFO冷媒に関連する特許として780ファミリ、炭化水素冷媒に関する特許として395ファミリを分類し、特許出願動向を以下にまとめた。(使用データベース:PatBase)
炭化水素冷媒に関連する外国特許ファミリ(US,EP,CN,IN)の出願推移及び出願国を以下に示す。



 炭化水素冷媒については、中国での出願が米国、EPに比較して多いことが見て取れる。実際に抽出した公報では、プロパン(R290)を用いた空調機器に関する発明が多く見受けられた。中国では家庭用空調へのR290の適用が積極的に検討されており、出願の増加もこのような動きに対応するものと考えられる。

(IP総研 先端技術分析班)

(参考文献)

(1) -(社)日本冷凍空調工業会 日冷工の温暖化防止と次世代冷媒への取り組み, 2011
(2) Du Pont社ホームページより http://www2.dupont.com/hfo1234yf/en_US/
(3) Honeywell社ホームページより
 http://honeywell.com/sites/JP/News/Pages/JPJRCHFO-1234yf.aspx
(4) 平成19年度特許出願技術動向調査報告書 自然冷媒を用いた加熱冷却(要約版)

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