TOPページ知財情報【米国トレーニー日記】 第17回: Patent Bar試験(受験申請編)

【米国トレーニー日記】
第17回: Patent Bar試験(受験申請編)

2019/09/24 米国 コラム

NGBでは定期的に米国ワシントンDCの特許事務所にトレーニーを派遣しています。私(篠田)も、2019年5月~11月の半年間の予定で滞在中です。

前回は、私のある一日を紹介させていただきましたが、今回は、Patent Bar試験(Patent Agent試験)を紹介させていただきます。

米国特許庁(USPTO)に対して手続きを行うにはPatent Bar試験(Patent Agent試験)に合格し、登録する必要があります。米国の特許事務所の案件担当者の多くはロースクールを卒業して司法試験に合格した弁護士(Attorney)ですが、彼らはそれに加えて、特許庁に対して出願、指令書対応等の業務を行うためにPatent Bar試験に合格し、特許弁護士(Patent Attorney)として登録しています。なお、弁護士ではない者がPatent Bar試験に合格し登録した場合には、Patent Agentと呼ばれます。

対して日本では、弁護士となる資格を有する者は弁理士となることができますので(弁理士法第7条)、弁護士が弁理士となるために弁理士試験を受ける必要はありません。これは日本と米国の弁護士・弁理士の大きな相違点です。余談ながら、日本の弁理士は Patent Attorney と訳されることが多いため、日本のシステムに詳しくない米国弁護士の中には、日本弁理士は全員弁護士であると誤解している人もいるようです。

Patent Bar試験は、USPTOの募集要項ページ)のSource Materials)に記載の範囲から出題されます。御覧頂くと分かるように、MPEP(審査基準・便覧)が試験範囲に含まれていますので、非常に広い範囲から出題されます。USPTOに対する書類送付方法(郵便、FAX、EFS-Webなど)に関するものから、宣誓書・宣言書の要件、指令書応答期限、IDS、新規性・進歩性に関する内容まで、多岐にわたります。

Patent Bar試験を受験するには、USPTOの募集要項のページのGeneral Requirements Bulletin)に記載の要件を満たす必要があります。
原則的には、要項に記載された理系分野の学士の学位が必要です。また、英文の学位証明書および成績証明書が必要となりますので、受験を希望される方は、渡米前に準備しておくことをおすすめします。また、VISA(査証)関係の書類の提出も必要です。

USPTOに試験を申し込むと、3週間程度で受験可否の通知がされます。私は不幸にも、Notice of Incompleteness and Denial of Admissionという書類不備を知らせる通知を受け取ってしまいました。その内容は「VISA関連の書類がすべて提出されていない」というものです。
私のVISA関連の書類は300ページ以上あり、全て提出したことを鮮明に記憶していました。通知に納得できなかった私は、滞在先事務所の弁護士同席のもと、USPTOに電話にて問い合わせを行いました。
USPTOの担当者の返答は「私の手元には30ページしかない」でした。耳を疑いましたが、同時に、書類を再送すれば問題なく許可するとの意向が示されました。書類を再送し、一週間後には無事、受験資格を得ることができました。

受験許可通知には、3ヶ月程度の期間(2019年7月30日~11月4日)、受験可能であることが記載されていました。この期間であれば、自由に受験会場および受験日程を選択できます。
会場はUSPTOではなく、Prometric Testing CenterというTOEFL等の一般的な試験を受けられる施設です。ワシントンDCに滞在中のトレーニーは、ワシントンDC、メリーランド州、またはヴァージニア州のPrometric Testing Centerで受験することが多いようです。私は、最も早く受験可能であったヴァージニア州のPrometric Testing Centerを選択し、受験の申し込みを完了しました。

以上、Patent Bar試験の概要および受験申請方法についてご紹介しました。次回は、Patent Bar試験の勉強方法や試験当日の様子をお話したいと思います。


(記事担当:特許第1部 篠田)

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