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【特許・意匠ニュース】
 インドネシア特許の実施義務、再び強化へ 実施延期申請の規定を削除

2021/03/23 特許/実案 アジア

 インドネシア特許法20条は、特許権者がインドネシア国内で特許発明を実施する義務(以下、実施義務)を負う旨を規定しています。
 これまで、特許権者は、この実施義務を履行できない場合、特許付与から3年以内に、実施の延期を申請すること(以下、実施延期申請)ができました(規則30/2019、39条~44条)。
 しかし、2021年2月3日に施行された規則14/2021により、規則30/2019の39条~44条が削除され、新たな実施延期申請はできないことになりました。

 インドネシア特許の実施義務は、2016年の特許法改正により、実施の地理的規模に応じた実施義務の例外規定(旧法17条2項)が削除されたことで、厳格化されています。
 2016年の法改正では、さらに、特許付与から36か月以内に実施義務を履行できない場合に強制実施権の根拠となり得ること(82条)及び特許取消理由になり得ること(132条)が規定されました。

 その後、2018年の規則15/2018及び2019年の規則30/2019の施行により実施延期申請が認められるようになり、また2020年11月2日施行の雇用創出オムニバス法により特許法20条の実施義務の「実施」の定義が特許を受けた物の「製造」と特許を受けた製法の「使用」のみならず「輸入」と「実施許諾」も含むように拡大されています。

 このように、実施義務は、2016年の法改正後は緩和傾向にありましたが、今回の規則14/2021により再び強化された結果となります。

 なお、規則30/2019の45条では、規則30/2019の施行日である2019年12月9日より前に付与された特許については2022年12月8日まで実施延期申請が可能と規定されていましたが、今回の規則14/2021の施行によって規則30/2019の45条が修正され、この規定も削除されています。修正後の45条によれば、2021年2月3日の時点で提出済且つ未決定の実施延期申請については、実施延期可否の審査が引き続き行われることになります。

・情報提供協力事務所(アルファベット順)
Acemark https://www.acemark-ip.com
Biro Oktroi Roosseno https://www.iprbor.com
SKC Law https://www.skclaw.co.id

(参考)
・Indonesia: Regulations on implementation of Job Creation Law
2021年2月26日、Rouse
https://rouse.com/insights/news/2020/indonesia-regulations-on-implementation-of-job-creation-law
・Indonesia update: no longer possible to postpone working of patented invention
2021年3月11日、Spruson & Ferguson
https://www.spruson.com/ip-law/indonesia-update-no-longer-possible-to-postpone-working-of-patented-invention
・インドネシア特許の実施義務、オムニバス法成立により廃止にならず
2020年12月14日、NGB株式会社
https://www.ngb.co.jp/ip_articles/detail/1843.html

記事担当:特許第1部 高橋卓也、小林達也

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