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2022.10.03

特許部 大串聡

【2022年 米国トレーニー日記】第2回:米国特許事務所の様子

弊社では、2022年6月から、米国ワシントンDCの特許事務所へのトレーニー派遣を再開しました。私(大串)は、これまでにワシントンDC内またはその近郊にある10数か所の特許事務所を訪問しました。本稿では、現在の特許事務所の様子を中心に紹介します。

州によって異なる部分はあると思いますが、米国では、コロナ禍において、原則リモートワークを強いられていた時期もあったようですが、現在ではそのような規制はなくなっています。

訪れた事務所の中で、毎日出社することを要請している事務所はありませんでしたが、その度合いは事務所によって大きく異なっていました。各人に週三の出社を義務付けている事務所がある一方、経営者を含めほとんどがリモートワークをしているという事務所もあり、その違いは様々でした。全体的に見ると、リモートワークを主流とした働き方に移行している事務所の方が割合としては多く、事務所を訪問した際に、あまり人がいないと感じることが多々ありました。そのため、どの事務所も使われていないスペースがあるような状況で、事務所スペースの削減や移転を検討しているという話をよく聞きました。

ただし、多くの事務所の経営者達は、可能な限り各人が対面で会う機会を作りたいと考えていることが話の節々から感じ取れました。一番の理由はやはり、オンラインだけでは、教育や事務所文化を伝えることが難しいということがあるようで、この辺りは日米で共通するところかなと感じました。なお、その機会を作る方法として、多くの事務所では、特定の曜日にランチを提供して各人が出社することを動機付けていました。

コロナ禍前には外国(特に日本)からのトレーニーを受け入れていたという事務所も、現在、外国からのトレーニーがいないというところが多く、そのため、コロナ禍前には、定期的に行われていた各事務所でのトレーニー向けセミナーも、現在はその絶対数が少なくなっているのが実情です。ただし、少しずつですが日本からのトレーニーの数も増加傾向にあるようで、コロナ禍前に行っていたセミナーやイベントを再開しようとする事務所もありました。このあたりの最新情報を知りたいという場合には是非ご連絡下さい!

また、多くの事務所において、日本からの訪問自体がそもそも少ないようで、どの事務所も私の訪問を一様に歓迎してくれました。中には私の訪問がコロナ禍後の最初の訪問であるという事務所もありました。

以上の通り、現在、少しずつですが各事務所におけるセミナーやイベントが再開されつつあり、各事務所において、トレーニーの復活が心待ちにされているような状況にあると思います。米国事務所との関係強化や米国実務に関する教育の機会を模索しているという企業様におかれましては、これを機に米国へのトレーニー派遣を検討されてみてはいかがでしょうか?

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