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2023.07.11

特許部 牛島倫太郎

【2023年 米国トレーニー日記】米国での暮らし 立ち上げ編

弊社では、2022年6月から、米国ワシントンDCの特許事務所へのトレーニー派遣を再開しました。私(牛島)は、米国トレーニー再開後、第3号として、2023年1月~7月の半年間の予定でワシントンDCに滞在しています。本稿では、トレーニーとして派遣された後の生活の立ち上げについてご紹介します。

渡米前、トレーニーとしての生活はさぞ華やかなものなのだろうと想像しておりました。朝起きて優雅にコーヒーを飲みながらパソコンを見てメールをチェック。新鮮な野菜とハムを挟んだサンドイッチを食べながら朝のニュースを見て、スーツを着こなして華麗に出勤。帰って来てからはキッチンで夕食を作り、ワインを飲みながら煮込み料理などを楽しむ…こんな生活が待っていると思っておりましたが、想像以上に大変なことが多いです。

まず、入居したてのアパートに家電はあっても家具は一切ありません(今回居住を決めたアパートは家電付きのアパートでした)。優雅にコーヒーを飲むためには、湯沸かしポット、マグカップが必要です(コーヒー豆やフィルターもですが)。優雅な時間を過ごすためには椅子も机も必要です。日本のように床に寝転べないので、夜寝るためにはベッドも必要です(意外と盲点でした)。実際、入居したての時は椅子が無かったのでほぼ立ちながら生活をしていました。結果、結構腰にきました。幸いベッドについては、エアベッドを譲ってもらったので、初日からそれを使って寝ておりました。エアベッドに命を救われたと心から思います。

また、家具を「どのように」手に入れるか、も検討する必要があります。車があれば、家具を売っているお店を回ることも出来ますが、今回は車なしの滞在でしたのでAmazonが必須でした。ただ、Amazonを使う上で心配していたことが2つ。ちゃんと家に届くのか(行方不明にならないか)、そして、ちゃんとした状態で届くのか(壊れていないか)です。日本のAmazonとアメリカのAmazonは全然違う、なんていうブログを見るとこういう不安が募ってくるのですが、やってみないと分からないだろうということでアメリカ用のアカウントを用意して、壊れてもどこかへ行っても問題ないものを注文してみました。2日後、頼んでいた網棚が届きました。組み立ててみて、何も問題なく機能することが確認できた時は、言いようのない達成感のようなものを感じたのを今でも覚えています。こうして何も問題がなさそうであることを確認し、Amazonを駆使して家具をそろえていきました。寄る辺のないアメリカという見知らぬ土地で、Amazonという存在は輝いて見えました(※Amazon.comを利用してください。Amazon.co.jpではありません)。

アメリカだからこそ必要な物、というのもありました。Door Draft Stopperというものを皆様ご存知でしょうか。Amazonを駆使して生活の立ち上げが少し落ち着いてきた時、私はあることに気がつきました。それは、生活音が丸聞こえだったということです。というのも、玄関のドアの下部分に3 cm程度の隙間が空いているんです。日本で生活していた時にはまず見たことのなかった隙間が、ドアの、しかも玄関のドアの下側にあるんです(目を疑いました)。玄関の外で他の住人が喋る声や、エレベーターの音がはっきりと聞こえます。なので、アパートに住み始めて2週間程度は、出来るだけ静かに、迷惑をかけないように足音すら気にして生活していました。正直、最初は「え、こんなに隙間が空いてるのにほかの部屋に住んでる人の音が聞こえないなんて、みんなどれだけ静かに暮らしているんだろう」と割と本気で思っていたのですが、ある時、別の部屋のその隙間が何かでふさがれていることに気づきました。そこで、試しにGoogle先生に尋ねてみたところ、その隙間を埋めるためだけのアイテムがこの世に存在することが分かりました。それがまさしくDoor Draft Stopperというものだったんです。後日、お世話になっている現地の弁護士に聞いてみると、古いタイプのアパートでは玄関のドアにそういう隙間があるよーとのこと。Door Draft Stopperを手に入れてからは優雅な生活が送れるようになり、心から良かったと思います。日本とアメリカの違いを強烈に感じた瞬間でした。

(入居当時の玄関(部屋側)、2-3 cmの隙間が空いています)

(Door Draft Stopperを設置した玄関(部屋側))

(購入したDoor Draft Stopper。2本の円柱状の構造物が布で繋がっていて、ドアを挟んでいる)

日本の仕事とアメリカの仕事をこなしながら立ち上げを行うのはなかなか大変でしたが、その分非常に貴重な経験が出来たと思います。そしてきっとDoor Draft Stopperのことは一生忘れないと思います。

文責:特許部 牛島

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