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2024.12.23
特別寄稿:Dr David Moreland
このたび筆者は、欧州特許庁(EPO)が品質の重要性を認識し続けている状況について、NGBのニュースサイトで紹介する機会を得ました。高い品質は、特許制度への信頼と利用を高め、研究とイノベーションを促進します。
特許の高い品質は、それが有効なビジネス資産となるためには欠かせません。特許品質には二つの側面があります。一つ目は出願プロセスです。良質なプロセスは不要な複雑さを回避します。また、良質とは効率性と良好なユーザー体験をも意味します。二つ目は製品そのもの、つまり、許可された特許です。これは「有効性の推定」と共に付与されるべきです。
品質の高いプロセスと製品の要件には、タイムリーな納期、法的な安定性、予測可能性、一貫性が含まれます。良質は、明確であいまいさのない保護範囲を定義します。また、良質とは、新規性、進歩性、サポート、追加事項など、欧州特許条約(EPC)の基準を満たすための厳格な審査を意味します。
EPOは、品質の向上と維持に取り組んできた歴史があります。例えば、2011年に始まった「Raising the Bar」プロジェクトなどです。また、最近では、2023年における品質憲章への取り組みと、それに関連する品質監視と測定機構のパッケージを称賛するべきです。これには以下のものが含まれます:
- 管理システムのためのISO 9001と情報セキュリティのためのISO 27001
- 内部の品質監査部門
- 利害関係者の品質保証パネル(SQAP)
- 審査官とユーザーを支援する品質ダッシュボード
- ユーザー満足度調査
SQAPは特に有益であり、弁護士と審査官が協力し意見を共有することを可能にします。今年のSQAPは10月に開催され、61人の評価者(欧州の弁護士36人、EPOの専門家25人)が参加。18のパネルで、デジタル技術、エレクトロニクスと物理学、健康と農業食品、インフラとメカニクス、エネルギー、モビリティ、スペーステクノロジー、材料と製造など、108の特許ファイルの品質を評価しました。
今年のSQAPでは、調査と意見書、授与(審査と許可)、拒絶の評価を行いました。(来年は異議申立てを含める予定です)
品質ダッシュボードも有用なツールです。これにより、審査官はKPI(Key Performance Indicators)を見ることができ、同僚と比較することができます。KPIには以下のものが含まれます:
- 調査と意見書において、新規性や進歩性の誤った評価が行われたケースの割合。
- 調査において、後に見つかったより関連性の高い先行技術。
- 審査において、実体審査官によって新規性や進歩性の誤った評価が行われたケースの割合。
- 授与において、出願後に新規事項が追加された。
監視と測定機構からの「入力」は、EPOの年間品質レポートと品質アクションプランの形で「出力」を生み出します。具体的には、2024年のSQAPの結果が、EPOの2025年の品質アクションプランに反映される予定です。
もちろん、特許の品質はEPOだけの責任ではありません。特許出願プロセスに関与する全員が果たすべき役割があります。品質とは、出願人、日本の弁護士、欧州の弁護士、EPOの審査官と審査部門、全員が共有する旅なのです。
特許出願を準備する際には、EPOによる処理の品質を向上させるためのいくつかのステップが存在します。言葉のルール、国内の特許ルール、起案スタイルの違いは、事前に適切に考慮されない場合、問題を引き起こす可能性があります。また、EPOの厳格な追加事項の理解と、課題/解決策アプローチを用いた進歩性テストは、多くの他の法域とは異なります。
欧州特許プロセスにおける潜在的問題を避けるために、我々は良く確立された特許起案の実践と回答の技術を持っています。これらは、外国人弁護士/特許エンジニアトレーニングプログラムとして形成されています。これらのプログラムは、プロセスをより効率的にすることを目指しており、これにより出願人のコストが節約されます。また、プログラムは品質の高い特許製品の取得にも役立ちます。このようにして、出願人が望み、かつそれに値する保護を得ることができることを願っています。
<筆者紹介>
Dr David Moreland, Moreland IP Limited
European and UK Patent Attorney, UPC and UK Patent Litigator
David has a wealth of understanding in Patent work, having over 30 years of experience in private practice. He has been named as Representative in over 1,700 EP applications. He has extensive experience of filing, prosecuting and defending patents in Europe and the UK for a wide range of applicants.
David can be contacted at mail@MorelandIP.com or via www.MorelandIP.com
※原文をAI翻訳し、ポストエディットしたものを掲載しております。