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2021.04.26
特許部:鮫島 玲史・平林謙
インド政府は2021年4月4日、裁判所手続きの合理化を目的とした裁判所改革法を、インド憲法第123条に基づく大統領令として発布し、即日施行しています。
この裁判所改革法には、知的財産審判委員会(Intellectual Property Appellate Board; IPAB)の廃止が含まれており、インド特許法から「審判委員会」に関する記載を削除する改正が含まれています。
実務面では、審判委員会が行っていた処分の管轄が高等裁判所に変更されることに注意が必要です。審判請求に関わるインド特許法第117A条は「審判委員会に対して審判請求することができる」から「高等裁判所に対して不服を申し立てることができる」と改正されます(下線部は筆者による)。
裁判所改革法は、インド財務省より2021年2月13日付で議会に法案提出後、審議未了となっておりましたが、インド憲法第123条に基づく大統領令として発布されたことで、議会で可決された法律と同等の効力を有します。大統領令は、次期会期の開始から6週間以内に議会で承認されない場合、または同期間内に上下両院による大統領令への不承認が可決された場合、失効します(憲法第123条(2)(a))。弊社では、今後の展開を引き続きモニタリングして参ります。
(参考)
インド政府 官報 http://egazette.nic.in/WriteReadData/2021/226364.pdf