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2021.07.05
IP総研:長谷川 雅則
前回ご紹介させて頂いた「在宅勤務とラボノート」に続き、在宅勤務の際にお勧めしたいのがタイムスタンプです。在宅勤務という働き方はCOVID-19の影響で急速に拡大し、定着しつつあります。また、その対象者は研究職の方々にも広がっているようです。米国の大手製薬会社においては情報通信技術の進化に伴い、今ではリモートで社内の実験装置が操作可能となっているという報道もありました。今後も「在宅勤務という働き方」は」進化を続けていくと思われます。
しかし、在宅勤務には課題も存在します。その一つに営業秘密などの情報管理があるのではないでしょうか。社外環境で作成された資料は社内で作成された資料に比べると、「何時(いつ)、誰が作成したのか」を明確にすることが容易ではありません。タイムスタンプを活用すれば、対象資料が「何時(いつ)、誰によって作成されたのか」という情報を客観的に残すことができます。
タイムスタンプは申請・取得方法も容易であり、オフィスやリモートワーク先でも必要性を感じた時に利用することができる手軽なツールです。新しい働き方にも適したサービスとも言えます。在宅勤務における情報管理の一手法として、タイムスタンプは有益だと思います。
残念ながら、NGBでは日本の法令に準拠したタイムスタンプ・サービスは提供しておりませんが、中国で多くの実績を有する中国のタイムスタンプ、「トラステッド・タイムスタンプ
2021年6月1日から施行された専利法の第4次改正には、法定損害賠償額の引き上げ(法定の範囲内で裁判所が裁量によって定めるもので10~500万人民元)、懲罰的損害賠償制度の新設(1~5倍)なども含まれており、今後、さらに訴訟件数が増加することも予想されます。増加を続ける中国での訴訟リスクに備えるためにも中国のタイムスタンプを活用いただくことをご提案致します。
NGBがご提供するトラステッド・タイムスタンプサービスはWEBブラウザーがあれば、日本国内から、在宅勤務中であっても、どこに居ても、タイムスタンプの必要性を感じたタイミングで日本語ユーザーインターフェースを経由して対象情報の存在日と原本性を確保することができるのです。例えば、在宅勤務時に着想したアイデアやその関連資料、またWEB会議で議論した内容などもその対象になり得ると思います。
本サービスは既に複数の人民法院(中国の裁判所)で証拠として採用されており、本サービスで取得したタイムスタンプが中国の判決文に登場するケースが多数存在することも確認できます。China Judgements Online にて検索した結果は以下のとおりです。(2021 年4 月23 日現在)
– 可信时间戳(トラステッド・タイムスタンプ):29,665件
– 可信时间戳and 专利:832 件
– 可信时间戳and 商标:2,762件
– 可信时间戳and 外观设计:427 件
それでは、改めてトラステッド・タイムスタンプの特徴を簡単にご案内させていただきます。
1. タイムスタンプを取得したいと思ったその時に、いつでも、どこからでも利用することが可能です。WEBブラウザーを立ち上げ、専用サイトにアクセス・ログイン後、対象資料をドラッグ&ドロップするだけです。所要時間は数十秒から数分です。
2. 中国での裁判でも多くの利用実績を有するタイムスタンプがお手元の環境からワンコインで取得できます。なお、利用件数を気にすることなくご利用頂ける定額制もご用意しています。
3. タイムスタンプを利用する際に気になるのが、その安全性です。トラステッド・タイムスタンプの場合、対象となる資料や情報を社外環境に持ち出す必要がありません。WEBブラウザー内の機能を用いて、ハッシュ値だけを算出します。高い機密性を維持しながら、中国で多くの実績を有するタイムスタンプを取得することができるのです。なお、本サービスの安全性に関しましては、既に複数の日本企業様に技術的側面からも検証いただき、ご確認頂いております。詳細は別途、お問い合わせ下さい。
最後に、前回ご案内したラボノートとの併用に関してご提案させていただきます。例えば、正本および詳細データはパソコンや社内DBに保存し、タイムスタンプを取得することで対象データの存在日時と対象データの原本性を確保します。ラボノートには正本を作成するための概要情報や関連事項が記載されていると思います。将来、これらの情報を証拠として利用する際、タイムスタンプとラボノートの情報は関連付けることができるため、複数の情報から、ある特定の事実を証明することができる可能性が高まります。タイムスタンプとラボノートの情報は証拠チェーンとなり得るのです。
「在宅勤務とラボノート」、「在宅勤務とタイムスタンプ」と2回にわたり、在宅勤務時に有益だと思われるサービスをご案内させていただきました。ご検討頂ければ幸いです。
トラステッド・タイムスタンプ専用アドレス:trusted.timestamp@ngb.co.jp
ラボノート専用アドレス:labonote@ngb.co.jp
※「トラステッド・タイムスタンプ」は Beijing UniTrust Tech Service Co., Ltd. の登録商標
(第6385144号)です。