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2007.09.15

【最近よくあるご質問】 アメリカ特許庁新ルールについて (番外) 特許庁、提訴される!

お客様から頂いた各種お問合せに対し、渉外部員が担当部門の協力を得て、お答えします。
今回のご質問は:
アメリカ特許庁が提案しているルール改正を導入した場合、提訴される可能性がある旨を、以前このコーナーで読みました。こうして現実にルール改正が行われたわけですが、はたして特許庁に対する提訴はなされたのでしょうか?
はい。アメリカ特許庁が新ルールを公表したその翌日8月22日、個人発明家であるDr.Tafasによって、新ルール(継続出願の回数制限)の無効確認ならびにその行使差止め命令を求める訴訟が、バージニア州東部地裁に提起されました。
 => 原告代理人のプレス・リリース

原告の主張は、
 ・議会より委任された立法権限を超えている。 
 ・特許法の継続出願(等)に係る条項に違背する。
 ・ルール改正に必要な行政手続法上の手続きを怠っている。
 ・新ルールが「科学技術の振興」に及ぼす影響を十分に吟味しておらず、合衆国憲法に違背する。
等々、かつてご報告したAIPLA年次集会で既に議論されているものと概ね同じです。

ここは一つ、上記AIPLA集会の席で「提訴された場合に特許庁が勝つ可能性は、5分5分よりも、はるかに低い」と発言したVan Horn弁護士の意見が聞きたい!我々取材班は、同弁護士への突撃取材を試みました!

「Van Horn弁護士、特許庁が提訴された件についてどうお考えですか?」
「係属中の訴訟に関するコメントは差し控えたい」
 ・・・・ごもっとも。

さて、今後当然のことながらアメリカ特許庁側は、正当な理由があれば何回でも継続出願が可能であることを盾に、“新ルールは出願人の権利を侵しておらず、憲法や特許法に違背するものではない”との主張を展開していくでしょう。この点に関してアメリカ特許庁は入念な調査・準備をしていたこともあり、やすやすと敗訴してしまうこともないと思われます。事実、親しいアメリカ人弁護士の意見も「特許庁が特許法に違背していることは明らかではないため、原告が勝訴することは難しいだろう」というものでした。本件訴訟の今後の成り行きも大いに気になるところではありますが、いずれにしろ新ルールの発効日は着々と近づいて来ます。我々出願人サイドとしては、新しい出願実務への対応準備を粛々と進めていくより外はないと言えるでしょう。

(渉外部 柏原)

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