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2007.10.15
ウェブページが、商品と関連する展示であるとされた先例において適用された基準としては、(1) 関連商品の写真を含んでいる、(2) 標章が商品の写真の十分近くに示され、標章を商品と関連させている、(3) 商品を注文するのに必要な情報を含んでいる、といった点が挙げられる。また、商標見本としてのウェブページに関連して、「よく認識された事実として、近年の消費生活は、多くの商品と役務がオンライン販売で提供され、オンライン販売は、取引の重要な一部となっている」旨、先例は付言している。
出願人のウェブページが、単に製品をクリックして買い物カートに加えさせたりせず、発注するのに、カスタマサービスに連絡させるべく、そのリンクや電話番号を示して、「ここをクリック(click here)」または「すぐに電話(call now)」のアイコンを使用させ、具体的に発注内容を確認させている事実は、出願人の商品が、特殊な業界の製品であることに鑑み、発注する際に、注意深い計算と技術的な知識を必要とし、カスタマサービスに連絡するよう示していることは、「適切な発注情報」が存在することを支持する証拠である。オンライン販売の普及に鑑み、本件ウェブページは、商品と関連する展示を構成している。
(In re Valenite Inc., TTAB, 7/31/07)
Valenite Inc.は、標章「VALPRO」を登録出願した。指定商品は、補正により、「電動式金属工作機械用工具、すなわち、旋回、切削、溝きり、掘削、穿孔、及びねじ切り;並びに電動式金属工作機械用工具用切削インサート成形品及び工具受け;並びに前記用途の構成部品」とした。出願第76482852号として、2003年1月16日になされた出願は、標章を取引上使用する善意の意図に関する出願人の主張に基づき行なわれた。本件出願は、2004年7月27日に異議申立のために公告され、続いて認可通知が2004年10月19日に発行された。
出願人は、使用説明と2005年4月19日付けのウェブページをプリントした二点の見本を提出し、どこにおいても最初の使用であって、最初に取引上の使用をした日として、2003年12月31日を主張した。2005年5月13日、商標審査官は、登録の拒絶を通知して、出願人提出の見本は、当該標章と指定商品との関連で、使用説明として受理できない旨、理由を示した。2005年7月21日、出願人は応答して、拒絶理由に対する意見書を提出した。審査官は、しかしながら、出願人の主張を受け容れず、2005年8月2日、登録の拒絶査定を通知した。
2006年2月1日、出願人は、審判請求書を提出し、再考慮を請求した。再考慮の請求の際、出願人は、さらに他のウェブページのプリントアウトを提出した。2006年2月8日、審査官は、再考慮の請求を斥けた。2006年7月6日、出願人は、拒絶査定に対する再考慮をさらに請求し、マーケティング部門長、Thomas Benjaminによる宣言書を提出した。審判部は、2006年7月24日付けの命令書において、さらなる再考慮の請求を審査前置の請求と解釈し、出願人は、十分な根拠が示されているとして、その請求を認めた。審判部は、審判手続きを停止し、出願を審査官に前置し、「請求を考慮する」よう審査官に指示した。2006年7月31日発行の通知において、審査官は、審判部に対して、「宣言書を適時ではないとして無視し」、「出願人は、その提出を支持する十分な根拠を証明していないと認定する」よう求めた。審査官は、宣言書を考慮せず、前記見本は受理できない旨、維持し続けた。出願人と審査官は、その後、書面を提出した。
破棄
判旨
審判請求の趣旨を審理する前に、当審判部は、審査官の2006年7月31日付け通知に付言する。審査官は、前置の請求を認めた先の審判部決定を再考慮するよう求めているようにみられる。当審判部は、先の審判部決定に誤りはないと思料し、したがって、審査官の請求を斥ける。さらに、この機会に、審査官が、その再考慮の請求が斥けられたことにより、代わりに宣言書を考慮するのが、審査の運用としてより適切であった。いずれにしても、当審判部は、審査官が、その書面において、宣言書は受け容れられない旨、表明していることに留意する。
(…… 以下略)
*判決内容詳細については “I.P.R.”誌でご確認ください。