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2007.11.15

意匠/新規性/新規な点(Point of Novelty)に関する認定テストの適用方法

意匠特許の侵害に関する確立した二つのテストには、通常の観察者によるテスト(ordinary observer test)と新規な点のテスト(point of novelty test)がある。新規な点のテストが要求するところは、「どんなに二つの物品が類似しているように見えても、『被疑装置は、先行意匠と特許意匠を区別する特許装置の新規性を取り込んでいなければならない』」ものである。

特許意匠に認められる新規な点は、単一の新規な意匠の要素であるか、または、先行意匠において個別に知られる要素の組合せであるかのいずれかである。特許権者は、新規な点として、要素を組合せる自由はなく、新規な点は、先行意匠と区別するクレームされた意匠の特徴を含んでいなければならず、クレームされた意匠と先行意匠を比較して決定されるのであって、被疑意匠との比較によるのではない。

反対意見の主張に反して、先例は、自明性審理の結果を利用して新規な点を決定しており、多数意見もLawman事件判決と矛盾しない。同事件判決は、新規な点の審理に「トリビアルではない進歩(non-trivial advance)」のテストを拒絶しておらず、先行例を組み合わせる示唆または動機が、侵害分析の一環として証明されなければならないという見解を拒絶した。テストを組み合わせる動機の適用を拒絶することは、自明型の分析の適用を拒絶するのとは、同じことではない。
(Egyptian Goddess, Inc., et al. v. Swisa, Inc., et al., CAFC, 8/29/07)

事実概要
Egyptian Goddess, Inc.(以下、E G I)が有する米国意匠第467,389号(以下、D’389特許)は、「ネイルバッファー(マニキュア用爪やすり、an ornamental nail buffer)」を対象としており、七図の意匠図面からなり、下記はその内の一図である。

***** 図掲載位置 *****

2003年3月21日、EGIは、Swisa, Inc.とDror Swisa(以下、Swisaと総称)に対して、D’389特許が、Swisaのネイルバッファーによって侵害されていると主張して、テキサス北部地区連邦地方裁判所に訴えを提起した。Swisaは、D’389特許非侵害を含む主張を縷々根拠として、宣言判決を求めて反訴を提起した。2005年3月3日、地裁は、クレーム解釈命令により、D’389特許の解釈を行なった。尚、いずれの当事者も、地裁のクレーム解釈を争っていない。
 Swisaは、特許無効と非侵害の略式判決を求める申立てを行ない、被疑意匠は、新規な点または通常の観察者のテストによって、D’389特許を侵害していないことを根拠とした。地裁は、Swisaのネイルバッファーが特許された意匠の新規な点を含まないとして、略式判決を認めた。特に、裁判所は、先行例としてのNailco特許に対するD’389特許の新規な点は、単に、パッドがついていない四番目の面の追加であって、Swisaのネイルバッファーには存在しないものであるとした。地裁は、終局判決を登録する際、EGIによる侵害の主張を確定力のある決定により斥け、Swisaの反訴請求を確定力のない決定により斥けた。
事件は、控訴された。連邦巡回控訴裁判所は、裁判所および裁判手続に関する法律第1295条(a)(1)に基づき裁判管轄権を有する。

確認

判旨
i) 意匠特許の侵害を認定するトリビアルではない進歩のテスト
意匠特許の侵害を証明するには、二つの確立した要件がある。Bernhardt, L.L.C. v. Collezione Europa USA, Inc.事件(386 F.3d 1371, 1383 (Fed. Cir. 2004))参照。第一に、いわゆる通常の観察者によるテスト(ordinary observer test)が要求するところは、「通常の観察者の眼によって、購入者が、通常、払う注意力をもってしても、二点の意匠が実質的に同一であるような、・・・類似性がかかる観察者を欺瞞し、その者をして、ある物品を他の物品であると思い込み購入するような場合を含む」としている。Gorham Co. v. White事件(81 U.S. (14 Wall.) 511, 528 (1871))参照。第二に、いわゆる新規な点のテスト(point of novelty test)が要求するところは、「どんなに二つの物品が類似しているように見えても、『被疑装置は、先行意匠と特許意匠を区別する特許装置の新規性を取り込んでいなければならない』」としている。Litton Sys., Inc. v. Whirlpool Corp.事件(728 F.2d 1423, 1444 (Fed. Cir. 1984))、Sears, Roebuck & Co. v. Talge事件(140 F.2d 395, 396 (8th Cir. 1944))参照。「通常の観察者および新規な点に関する双方のテストは、事実に関する審理であり、事実認定者によって、訴訟の侵害に関する段階において、裁判所によってクレームが解釈された後になされる。」Bernhardt事件(386 F.3d 1383)参照。
(…… 以下略)

*判決内容詳細については “I.P.R.”誌でご確認ください。

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