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2009.08.07
第10回ゲストは、米国フランクリン・ピアース・ロー・センターへの留学経験もお持ちの、ジャカルタ出身・MIGNI MYRIASANDRA NOERHADI氏。
MIGNI MYRIASANDRA NOERHADI 氏のNGB訪問時、インドネシアの知財事情についてお話を伺いました。
※ MIGNI MYRIASANDRA NOERHADI氏はBIRO OKTROI ROOSSENO 所属
私のホームタウンはジャワ島の北西岸に位置するインドネシア最大の都市・首都ジャカルタです。ジャカルタは市というより首都特別州であり、インドネシアの他の州と同じように運営されております。
実際ジャカルタには市長の代わりに知事がおり、独自の行政システムを持つ5つの行政区に区分けされています。 またジャカルタはジャワ島以外の地域から多くの移住者が在住しており、ジャワ人、スンダ人などの様々な言語・習慣が交じり合った魅力的な文化を形成しています。
Q2. 大学時代何を勉強されましたか?
インドネシアのバンドン工科大学で環境工学を学び、米国フランクリン・ピアース・ロー・センター(ニューハンプシャー州)で知財の修士号を取得し、バーモント・ロー・スクールにおいて環境法の修士号も取得しています。
Q3. 知財ビジネスに興味を持たれ、知財業界に入った理由を教えてください。
知的財産が様々な可能性を秘めた分野になり得ると感じたため、知財ビジネスに関心を持ち始めました。私たちが日常使用する製品・サービスのすべては延々と続いてきたイノベーションの賜物であり、技術発展が目覚ましい今日は知的財産がますます重要となる時代であると感じています。
Q4. 今、知財ビジネスにおいて何に興味を持たれていますか?
知的財産への社会的関心をいかに高めるか興味があり、知的財産保護を通じての中小企業支援だけでなく、知財に関するセミナー開催にも注力しています。
また私たちの事務所は『インドネシアにおいて知財に関する包括的な専門サービスを提供する』とのビジョンを掲げています。クライアントから求められた時、出願から権利行使までの多種多様なサービスを提供できるよう努力しています。
Q5. インドネシアの産業について簡単に教えてください。
インドネシアの主な産業は、石油、天然ガス、繊維・アパレル、鉱業、セメント、化学肥料、ベニヤ板、ゴム、食品、観光業などです。今急速に成長している分野は観光業と不動産業で、権利取得に積極的な産業はアパレル産業です。
Q6. インドネシアの企業は一般的にどのように知財を取扱っていますか?
代理人を介さず出願される出願数が増加している現状からも、知財に対する関心は確実に社会に広がっていると言うことができると思います。しかしながら、インドネシア企業において知財部門を有しているのは大企業のみであるのが現状です。知財部門を持たない企業は特許事務所から支援を受け対応しています。
ただし最近、おおよそ22の州立大学に中小企業を支援する知財クリニックが設立されたのは注目すべき動きであると思います。
Q7. インドネシアの知財教育の現状について教えてください。
インドネシア政府は2009年5月4日の第9回インドネシア知的財産記念日に、インドネシアIPアカデミーを発足させました。この機関は知財に関する教育研究を通じてインドネシアの知的財産を発展させ、その重要性を社会に広めることを目的にしています。
Q8. インドネシアにおける知財分野における資格について教えてください。
インドネシアにおいて、弁理士は産業財産権のコンサルタントとして認識されています。弁理士になるためには予備試験に合格し、政府の知的財産委員会により編成された知的財産コースのすべてを履修後、更に最終試験に合格しなければなりません。受験者は法学士の学位は要求されません。
一方弁護士になるためには弁理士とは異なり、法学士の学位が必要とされます。更に司法試験に合格する必要もあります。登録した弁護士は、インドネシア全域で様々な法的分野で実務を行なうことができます。
Q9. この機会を利用して読者にメッセージをお願い致します
1951年に設立されたBIRO OKTROI ROSSENOは、インドネシア知財業界におけるリーディング・ファームの1つであると自負しています。2008年には品質保証に関する国際規格である[ISO9001:2000]の認証も受けました。
今後も皆様に真摯な姿勢でサービスを提供し続けていきたいと願っております。
(記事担当:特許部 渡邊)
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