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2009.12.07
『パリ条約』にはブラジル・ロシア・インドの3カ国全て加盟しており、『ヘーグ協定』には3カ国全て未加盟である。『WTO協定』には、ブラジルとインドが加盟しており、ロシアは未加盟となっている。
なお、『ロカルノ協定』には3カ国中、ロシアのみが加盟している。
次に出願に関する項目を記載する。
3カ国全て「創作者、または承継人」を出願人とすることが可能である。無審査で登録となるのは、3カ国中、ブラジルのみであり、ロシア・インドは審査を経て登録となる。権利期間はブラジルが出願日起算で最高25年、ロシアが出願日起算で最高15年、インドはブラジル・ロシアとは異なり登録日起算で最高15年となっている。
さて、下記に示した図1は、1997年~2006年のブラジル・ロシア・インドの内国人・外国人別の意匠出願件数推移である。
まず各国の出願件数を見る。1997年では、ブラジルで2961件、ロシアで1302件、インドでは2521件、2006年では、ブラジルで5929件、ロシアで4385件、インドで5521件となっており、ブラジルとインドでは、ほぼ2倍、インドでは3倍以上の増加となっている。
次に各国の内国人・外国人別の出願件数を見る。1997年のブラジルでは内国人が1940件、外国人が1021件、ロシアでは内国人が929件、外国人が373件、インドでは内国人が2118件、外国人が403件となっており、ブラジル、ロシアでは、ほぼ7:3の割合であるが、インドでは8:2の割合となっており、内国人の出願件数が高くなっている。10年後の2006年を見てみると、ブラジルでは内国人が3981件、外国人が1948件であり、ほぼ7:3の割合で10年前と同様の比率となっているが、ロシアでは、内国人が2627件、外国人が1758件で、割合が6:4となり、内国人・外国人の出願件数が拮抗してきたことが分かる。また、インドでも、内国人が3584件、外国人が1937件で、割合が7:3となり、内国人・外国人の出願件数が徐々に近づいていることが分かる。
(IP総研 データソリューショングループ 研究員 新崎智章)