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2010.09.29
これを記念し、NGBの役員やOBが、記憶に残る10大トピックを振り返ります。
6.CPA社との業務提携(後編)
NGBとCPA社の年金管理ビジネスのスタートまでの逸話を前編で述べましたが、社長・西野の「OK」が出た後はすべてが順調にいったかというと、決してそうではありませんでした。取りあえずNGBが総代理店として日本市場で行うNGB workの拡販をはじめましたが、なかなか集客が思うに任せずチネリー氏ほかCPA社のセールスマネジャー・ジェイミソン(Jamieson)氏からは「外国年金の受注はまだか?」とのやんやの催促を受け、「産みの苦しみ」を味わっていました。
今となってはずいぶん無茶をしたと反省していますが、NGBが仲介した外国出願の後処理として出願代理人と結んで管理していたフランスの特許年金350件ほどを、自分一人の判断で新規に日本市場で獲得した外国年金管理案件だと偽って発注し、場を取り繕ったこともありました。
しかしその後数年、我々自身の営業努力やチネリー氏やジェイミソン氏などの来日帯同営業が功を奏し、NGBとCPA社で行うこの年金管理サービスも徐々に浸透しはじめ、1社、2社と外国年金について内外の出願代理人と手を切り、NGBに移管してくるクライアントが増えてきました。その後は業界でNGBがCPA社と結んで行うNGB workが外国年金管理のベンチマークとなり、「低廉、安全、確実」が評判を呼びお客様がお客様を集めてくださるという理想的な業務展開となり、高成長が続きました。
そして昭和53年、それまで業務優先で取引契約を結んでいなかった年金管理ビジネスについて、正式に日本代理店としての契約を結ぶ運びとなりました。第2代社長・島田に随行してジャージー島へ出向きチネリー氏との間で歴史的な「NGB-CPA年金管理業務委託契約」の調印式が現地メジャー新聞「ジャージー・ポスト(Jersey Post)」の取材を受けながら執り行われました。その記事は平和で事件の少ないジャージー島では一大ニュースであり、6月28日の「ジャージー・ポスト」の第1面を飾る予定でありましたが、生憎当日は「英国エリザベス女王」がお忍びでジャージー島を訪れており、トップ記事はそちらに奪われてしまいました。それでも当方の調印式ネタは第3面ではありましたが堂々の4段抜きでチネリー代表、島田そして私、3名の写真付きで掲載されました。
それから30余年が経ち、NGB-CPA社で管理する外国年金管理総数は実に60万件に達しております。今日までの年金業務の足跡を振り返ると、感無量としかいいようがありません。
文・正木道弘(昭43入社)