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2011.09.15
そこでNGBではインドプロジェクトチームを結成し、本年1月に特許・特許調査・意匠・商標の担当者6名が2チームに分かれ、1週間の日程でデリー・コルカタ・ムンバイ・チェンナイへ訪問して参りました。ここから4回にわたり、訪問先の各都市でのエピソードをご紹介したいと思います。
まず今回は最初に訪問したデリーです。インドの北部に位置するデリーは、ご存知のとおり、インドの首都であり、人口1300万人を擁する大都市です。飛行機では、東京からデリーまで直行便で約9時間半かかります。空港からは大きな幹線道路がつながっているので、中心部までは車で30分程度ですが、中心部ではやはり渋滞が多いです(路上の牛はあまり見かけません)。また、滞在中のデリーの気温は日中でも10~13度程度で、同じ時期の東京とあまり変わりません。
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デリー滞在中は、代理人事務所の他、代理人の方の同行でデリー知的財産局とデリー高等裁判所に訪問する機会がありました。
デリー知的財産局はデリーの西部のDwarkaという地区にあり、荒野(再開発中?) の中に突然現れます。セキュリティーチェックはなく、すんなりと庁舎の中に入ることができます。庁舎の中は特許庁と商標局が入っており、玄関ホールの左側に特許出願、右側に商標出願の受付カウンターがそれぞれ設置されています。
インド知的財産局の役職の序列は、Controller General of Patents, Designs & Trademarks (CGPDTM、いわゆる長官)を筆頭に、Senior Joint Controller(商標では~Registrar)、Joint Controller、Deputy Controller、Assistant Controller、Examinerと続きます。今回の訪問では特許のDeputy Controller、商標のDeputy Registrarの方々とお話しすることができましたが、バックログ解消の取り組みについて質問してところ、「またその話題か」と言わんばかりに少し嫌な顔をされてしまいました。現在、総力を挙げてバックログ解消に取り組んでいるそうなので、今後の頑張りに期待したいです。
ちなみに、出願の審査自体はExaminerが行い、指令書はその上のController達の名義で発行されるのですが、代理人とExaminerとの癒着を絶つという長官の意向もあり、特許に関してはExaminerの方とお話しすることはおろか、オフィスの見学さえも不可でした(商標については、なぜか審査官の方へのインタビューもオフィス見学も共にOKでした)。
庁舎内には各法律事務所のChamberと呼ばれる部屋が割り当てられており、出廷する弁護士はそこで準備を整えて裁判に臨みます(伝統的に弁護士は必ず黒のケープを着用するそうです)。インドの知財裁判(主に商標・著作権)では、1回の審理が5分程度と非常に短く、1名の判事で1日50件の事案を審理することもあるそうです。一方、同行して頂いた弁護士によると、審理時間が5分とはいえ事前準備に相当な時間を費やすとのこと。いくら訴訟手続の結審まで5~6年かかるとは言え、そんなスピードできちんと審理できているのかと思うと、少し不安になります。
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荒野に建つ知的財産局、競り市のような喧騒の裁判所など、カルチャーショックと共に、発展目覚しいインドパワーの一端を垣間見ることができ、本プロジェクトの遂行に弾みがついた盛りだくさんのデリー滞在でした。次回はコルカタをご紹介いたします。
(商標部 天野)