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2012.12.27
多くの方々が中国でのビジネスリスクを懸念されていること、また、それらに対する戦略を検討されていることなどを当日ご協力頂いたアンケートなどからも窺い知ることが出来ました。なお、嬉しいことにセミナー当日に “China-IPPublication.net” の利用申込をして下さったお客様もいらっしゃいました。
セミナーの講師は本サービスの提供企業である Beijing Elite Intellectual Property Service Co. Ltd. 総経理 崔 暁光弁護士にお願い致しました。既にご存知の方々も多いと思いますが、崔弁護士は長年に亘り北京三友知識産権代理有限公司の知財弁護士として活躍されました。それら数多くの訴訟経験から本サービスを設立されたそうです。
当日のセミナーでは”China-IPPublication.net” を中国での知財保護の一つの方策と捉え、なぜ防衛公開する必要があるのか、どのような情報をどのような方法で公開するのが良いのか、また、なぜ防衛公開に加え公証取得が必要なのかなどそれぞれのテーマに関して様々なデータ、経験談を加えてご説明頂きました。その中から記憶に残った崔弁護士のコメントなどをご紹介致します。
◆中国の実用新案・意匠制度は多くの企業に多大なリスクを及ぼしている。
◆2011年の実用新案・意匠出願数は過去最多となり合計約116万件。
全専利出願163万件中、約71%を占める。
◆2011年は約40万件の実用新案と約38万件の意匠権が付与され、現在有効な
実用新案・意匠権は約204万件。全有効専利権中、約75%を占める。
◆SIPOによると専利保有者のうち、約70%が権利侵害問題に直面している。
また、そのうち、約30%が訴訟に発展している。
◆2011年の中国での専利訴訟件数約7,800件。(第一審の民事訴訟のみ)
中国の専利保有者は裁判所で争う準備が十分にできているようである。
◆統計によれば裁判が早く進むほど原告が勝訴する率が高い。
多くの場合、1年以内に結審。
◆裁判での証拠提出期間は短い。最短で30日間。被告にとっては不利な条件が多い。
◆中国のパテントトロールの存在が企業に脅威を与えている。
パテントトロールは製造、販売行為を行なわない為、弱点が余り無い。
◆公開する情報は図面、写真などに加え、文字情報で補足するなど具体的で
あればあるほど良い。
◆公証取得によって公開日と内容が確定する。
また、公証は裁判官の独断的な思考を排除することができる。
◆”China-IPPublication.net” のようなWeb上で公開されているような電子的な証拠は
改定された中国刑事訴訟法、中国民事訴訟法でも証拠の一種として認められている。
また、改訂中の中国行政手続法によっても認められる予定である。
など”China-IPPublication.net” をお客様にご紹介する立場にある我々IP総研スタッフにとっても参考になる情報をご提供頂きました。
また、当日はQ&Aの時間を長めにご用意致しました。その為か活発な質疑応答が行なわれました。Q&A のなかにはセミナーにご参加頂けなかった方々にも有益と思われるものがございましたので次回以降、”China-IPPublication.net” FAQ としてご紹介したいと思います。
最後に”China-IPPublication.net” の概要を改めてご紹介させて頂きます。本サービスは既存技術/設計、商標、製品または商品の型番、商品の特有の名称、著作物などを開示し、かつ公証手続きを行うことで証拠内容及び時間を法的に特定し、第三者による不正登録や訴訟に巻き込まれた際に、限られた時間の中で証拠資料提示を容易にすることを目的としています。
“China-IPPublication.net” についてのお問い合わせは下記担当者までお願い致します。
IP総研 白岡 剛、長谷川 雅則
IP総研 代表メール ip-soken@ngb.co.jp
(IP総研 長谷川 雅則)