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2013.07.22
※Tipsは「秘訣」や「コツ」を意味する語。日本ではしばしばパソコンやソフトウェアを操作する「裏技」の意味で使われる。
A. 破線による部分意匠
日本と同様に非クレーム部分については破線による表現とすることによって、物品の一部分を権利化することが可能です(MPEP 1503.02 III:1980 In re Zahn)(図A)。 これによって、意匠の本質でない部分が変更された他社製品をカバーできるだけでなく、自社製品のマイナーチェンジにも対応することが可能です。
中間省略、端部省略の表現を用いることによって、物品の大きさ(寸法比)を限定しないような表現が可能です。 上記の例(図B-1)では1次元的、2次元的な中間省略を例示しております。 なお、D312,511については、省略された部分が直線的なものに限らず、曲線的に接続されている場合も権利範囲となる判例もあります。 Alan Tracy, Inc. v. Trans Globe Imports, Inc., 1995 WL 1109 (Fed. Cir. 1995). 図B-2に示すD483,335は、端部を省略した例です。
C. CG/写真による出願
米国では、線図での出願が基本です。 しかし例外的ではありますが、CG/写真による出願も認められています(MPEP1503.02V)(図C-1)。 CG/写真が認められるか否かは分野、審査官の裁量によるところが大きいようです。 権利行使の際に注意すべき事項もございますが、線図を準備する必要が無く図面作成にかかる費用を抑えることも可能です。
なお、CG出願においても部分意匠を用いることができ、例えば下記図C-2に表すような登録例があります。
明細書に形状、材質、色のコントラストを記述して、さらなる物品の特定を行う表現も認められています。 例えば、図DのD674,382では、「グレー部分が金属表面である」といった限定がされています。D619,703では、グレースケールはカラーが異なる領域を示しております(色の指定はしておりません。)
次回は、複数実施例、継続出願の実務についてご紹介致します。
(記事担当 特許第一部 中辻)