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2014.02.26
韓国の現行の類似意匠制度においては、以下の要件(1)及び(2)が拒絶理由に該当します(デザイン保護法第26条第1項第1号)。
(1)基本意匠に類似していない(デザイン保護法第7条第1項)
(2)登録を受けた又は意匠登録出願された類似意匠にのみ類似している(デザイン保護法第7条第2項)
上記要件のうち、要件(1)は無効理由にも該当しますが、要件(2)は無効理由には該当しません(デザイン保護法第68条第1項)。
一方、日本の関連意匠制度では、上記要件(1)及び(2)が拒絶理由に該当する点は韓国の類似意匠制度と同じです(意匠法17条第1号)。
しかしながら、要件(2)が無効理由に該当しますが、要件(1)は無効理由には該当しません(意匠法10条第1項、第3項、意匠法48条第1項第1号)。
すなわち、現行の制度においては、無効理由に該当する要件が韓国と日本では異なる点に留意が必要です。
例えば、韓国では、審査過程で通常の意匠登録出願を類似意匠登録出願に変更することが可能ですが、登録後に基本意匠に類似していないと判断された場合には、無効理由を抱える可能性があります(大法院2002.2.26宣告の2000-3654判決)。
なお、韓国において2014年7月から施行される改正法によりますと、現行の類似意匠制度が廃止され関連意匠制度となり、改正後の制度のもとでは、上記要件(2)のみが無効理由となります。
すなわち、改正法施行後の出願(2014年7月1日以降に出願された関連意匠出願)は日本と同様の運用となりますので、上記点については留意する必要はなくなるでしょう。
(記事担当:特許第1部 川井)