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2014.12.24

【セミナー開催報告】 中国商標(オンライン模倣品対策)セミナー: 2014年11月開催

2014年11月26日(水)に大阪会場、27日(木)に東京会場にて、中国模倣品対策に関するセミナーを開催致しました。講師として、Bird & Bird北京事務所の道下先生をお招きし、合計約120名の皆様にご参加頂きました。
中国商標に関しては、今年5月に新商標法施行に合わせて権利取得の観点からセミナーを開催しておりますが、今回は、権利活用・行使に関するセミナーです。タオバオ、アリババ等のテイクダウン申請方法、オンライン上の模倣品初期調査方法、サーチエンジン「バイドゥ」のシェアと様々な機能、サーチエンジンとマーケットプレイスの関係などにつき、中国の実情を加味しての講義となりました。企画の当初は、テキスト内容が1時間程度で収まるものでしたが、お客様の知りたい情報とは何かを考えつつ、修正に修正を重ね、最終的には道下先生のご尽力により、当初の倍以上となる分量にまで内容を充実させた結果、まさに中国におけるオンライン模倣品対策入門編とも呼べる、一冊に仕上がりました。
権利行使に関わるシビアなテーマでありながらも、講義はいつになく柔らかなムードで進みました。道下先生のユーモアを交えたこぼれ話や、人柄の良さが反映された丁寧な解説は、時に脱線し過ぎ?と感じられた方もいらっしゃったかもしれませんが、それらはすべて重要ポイントにまつわるものであり、この情報がより深く正確に中核を理解するために大いに役立ちました。
中国では、実店舗よりも商品が安いという理由でオンラインが利用されているのではなく、購入したい商品が近くの店舗に無く、また物流コストが非常に安いため、オンライン販売が利用されているのが実情とのこと。そして、中国の模倣品問題を解決するには真正品をオンラインで購入できるような環境を整え、そこにソーシャルメディア等を活用して消費者を誘導することが重要で、この環境がなければ、模倣品のテイクダウンにいくら成功しても、ネット消費者は行き場に迷い、結局は別サイトで再び模倣品を購入してしまうことになるとの説明が印象的でした。
道下先生は、中国への留学後、米国のLaw Schoolへ進学され弁護士資格を取得、中国に戻り知財業務に従事なさってきた異色の経歴の持ち主であり、中国語はネイティブも認めるほど素晴らしく、「中国において培った経験を、日本企業のために役立てたい」との思いで今回のセミナー講師を務めて下さいました。先生からは、今後の中国ビジネス戦略を考える際に重要な要素となりうる様々な要素についても紹介があり、ご参加者頂いた皆様にとっては、収穫の多いセミナーとなったのではないかと思います。

セミナーにご参加頂きました皆様に、改めて御礼申し上げます。NGB商標部では、今後も、お客様のご興味に即応すべく、様々なセミナーを企画・開催する予定でございます。セミナーについてのご要望等がございましたら、ぜひお問合せフォームよりご連絡ください。

(商標部 草野)

中国E-commerce取引額の推移
講師の道下先生
東京会場
大阪会場

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