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2015.10.20
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首都知識産権服務業協会(CIPSA)は今年の4月に設立されたばかりの団体であり、NGB主催のツアーでも初の訪問となる。従来の各種団体とはどう異なるのか?他団体とはどのように棲み分けしていくのか?是非とも訊いてみたいところである。同協会からの参席者は会長の李強女史以下全7名。以下、お話の一部を抜粋してご報告する。
私たち首都知識産権服務業協会は今年の4月に「北京知識産権代理行業協会」を前身として設立されました。会員数は158社で、代理人のみならず、法的サービスから情報サービス、コンサルティングまで幅広い事業者が含まれています。李強会長は皆さまご存知のとおり代理人ですが、当協会の(役員の)一人は知財運営基金を北京で初めて設立しました。当会は独立運営で、他の各組織とは協力関係にあります。ただし事務局については、北京市専利代理人協会(BJPAA)と共通で運営しています。
当会の目的の一つは業界レベルの向上で、そのために代理人の教育、課題研究~レポート作成、年報の編集、刊行物や会誌の発行などを行っています。2つ目の目的は業務の統制化で、代理機構の評価基準を制定しました。3つ目としては、世界の知財団体との交流窓口として業界プラットフォームを構築します。最後に、業界利益を保障することも重要な任務です。代理業務の適正価格の計算方法を提案し、大きな注目を集めました。
■特許の売買について
中国では権利侵害のコストが安いため特許権の価値も低くみられ、特許売買の意識も高くありません。私(馳副会長)が経営している会社も流通促進が目的なので、これから特許の価値を高めて流通を盛んにしていきたいと思います。その観点から損害賠償額を上げて罰則も盛込むような法改正に期待しています。
同協会は従来の出願代理業務に特化した団体とは一線を画し、中国の知財を底上げするための様々なアプローチを提案しているようだ。事実、今回の訪問では知財流通・休眠特許の活用に関する情報交換に多くの時間が割かれ、協会側からは日本における流通事情についての質問も出た。また、ご参席された日本企業のおひとりからは「弊社は中国と共に発展していくというポリシーの下、ライセンスも中国企業との間で積極的に進めていく方針です」と知財流通・活用に前向きな発言も出るなど、双方にとって有意義な意見交換の場となったものと思う。
(営業推進部 柏原)