- 知財情報
- アーカイブ
2015.11.18
=> 前編はこちら
[企業プレゼンテーション]では、昨年に引き続き ASEAN をテーマに近年の知的財産環境についてご報告、両日あわせて130名の来場者様に聴講頂きました。前半ではASEAN各国の近年の知財環境、後半ではASEAN最大の国家であり経済成長著しいインドネシアの知財環境についてレポート致しましたが、ここでは後半のインドネシア情報について一部、ご紹介致します。
インドネシアでは、商標及び意匠の出願件数がASEAN内で一番多く、特許についても上位の件数を誇り、四法ともに概ね増加傾向にあります。小特許(実用新案)、意匠、商標は内国出願の割合が高いのに対し、特許だけは外国からの出願の割合が高くなっております。
インドネシア特許庁における特許の審査官の人数は約80名です。同じASEANで審査の遅延がよく指摘されている、タイ、ベトナムの審査官の数と比較すると、タイの審査官の2倍強、ベトナムの審査官よりも多いです。しかしながら、現状、出願から権利化までおおよそ4~5年ほどかかり、決して審査が早いとは言えない状況です。インドネシア出願の対応外国出願、例えば基礎日本出願の、登録結果を現地特許庁へと通知することにより、審査促進が可能であることが確認できております。
最後に、ケーススタディとしてインドネシアにおける自動車を対象とした四法出願件数調査の例をご紹介しました。自動車関連分野においては意匠・商標はここ10年ほぼ横ばいであるのに対し、特許出願は2009年から急激な増加傾向にあり、そのほとんどが日本企業からの出願の増加によるものです。
企業プレゼンテーションの詳しい内容にご興味がありましたら、弊社までご連絡頂ければ幸いです。
(特許第1部 中村有一)