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本年5月5日付で、中国工商行政管理総局は『2016年度インターネット市場監督管理キャンペーン実施計画』を公示しました。このキャンペーン実施計画は、主にインターネット取引のプラットフォーム上の不法行為、インターネットにおける商標権侵害、模倣品販売、虚偽宣伝等を取り締まり対象としており、全国の地方工商行政管理局で展開されています。キャンペーンの実施期間は、本年5月から本年11月までとなっています。

現在インターネット上で多くの権利侵害を受けている権利者、或いは以前にインターネット上で権利侵害を受けたものの思うように対策を進めることができなかった権利者は、このキャンペーンの期間内に工商行政管理局に申立することができます。申立が受理された場合、先ずは重点目標を定め、詳細に調査を実施し、侵害品のルーツである製造工場を突き止めることに努力するとされています。キャンペーンによる主な取り締まり内容は、以下の通りです。

1. 重点商品の監督管理を強化する。重点商品は、児童老人用品、電器電子製品、装飾内装材料、自動車部品、被服・靴・帽子、化学肥料等を含む。
2. ネットショップ上の実名使用を確実にし、インターネット上の経営主体を明確にする。
3. インターネット上で取引されている商品のサンプル調査を行い、品質に問題がある場合に取り調べを実施し、品質の劣る商品を販売する不法行為を厳しく取り締まる。
4. インターネット上の商標権侵害等の不法行為を取り締まり、知名度の高い商標及び外国の商標の模倣に対する取締を強化する。
5. インターネット上の虚偽広告を取り締まる。
6. プラットフォームの経営者に対して、当該経営者によるチェックと是正を催促し、プラットフォーム内の販売業者の資格と営業活動を検査監督することを要求する。

今回のキャンペーンは、あくまでも工商行政管理局の自己PRとして実施されるものであり、キャンペーン向きの案件（例：侵害判断が容易かつ大規模の案件）が取り締まり対象となるため、ハードルが高いことは否めません。然しながら、仮に工商行政管理局への申請がキャンペーンには不向きであると判断された場合であっても、申請用に収集した証拠は、当該案件に関する他の権利行使に利用できますので、無駄にはならないでしょう。

弊社では、インターネット上の権利侵害対応に精通した海外代理人ネットワークを有しております。中国のアリババ等、諸外国におけるEコマースでお困りの場合には、ご遠慮なく弊社までご相談頂ければ幸いです。

（商標部 研壁）