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2016.09.16
詳細が確認できていない部分もございますが、主な改正点についてお知らせいたします。
●年金制度
出願から登録までの累積年金は、登録日(特許証発行日)から6ヶ月以内に納付することとなりました(旧法では登録日から1年以内)。納付されなかった場合には特許権は消滅します。詳細は施行規則により定められる予定です。
登録後の年金は、旧法においては、連続して3年間納付しなかった場合に初めて権利が消滅し、その間の年金は負債として残るという特殊な制度でした。新法では、他の多くの国と同様の制度となり、次の保護期間(次年度)の1ヶ月前までに納付することとなりました。納付されなかった場合には権利が消滅します。なお、存続中の特許権の扱いや、現在残された負債の扱いについては、確かな情報が得られておりません。
また、年金の納付期限は申請により最大12ヶ月まで延長することができるようになりました。この申請は、納付期限から7日前までに提出する必要があり、納付する年金額と同額の追納費用が発生します。
●第二用途/第二医薬用途
既知の物、または既存の化合物の新たな形態であって顕著な改良が無く既存の化学構造からなるものの新たな用途(第二用途/第二医薬用途)の発明は、特許の保護対象から除外されることとなりました。
●コンピュータ・ソフトウェア関連発明
旧法ではコンピュータプログラムは特許の保護対象から除外されていました。新法では、一定の要件の下、保護対象となりました。
●遺伝資源/伝統的知識に関する発明
発明が遺伝資源または伝統的知識に関するものである場合、関連する遺伝資源または伝統的知識を明細書に記載しなければならないことが明文化されました。
●付与後異議申立て
旧法では、出願公開から6ヶ月の期間に付与前異議申立てを行うことができました。新法ではさらに、付与後異議申立てが可能となりました。
●特許権侵害の例外
新法では、以下の行為は特許権侵害の例外とされました:
・インドネシアにおいて特許が付与された医薬であって、特許権者の許可なく他国で適法に販売されていたものの輸入。
・インドネシアにおいて特許が付与された医薬の製造であって、特許権の存続期間の満了前5年の期間内に、満了後のライセンス及び販売を目的として行う場合(いわゆるBolar exemption)。
●強制実施権
強制実施権の規定が明確化され、その対象が拡大されました。特に、医薬についての強制実施権が拡大されたようです。具体的な要件は不明ですが、医薬の製造、(インドネシアにおいて当面製造できない)医薬の輸入、(発展途上国からの要請により)インドネシアで製造した医薬の輸出が対象となったようです。
(記事担当:特許第2部 平林)