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2016.11.16

【商標NEWS】 欧州司法裁判所、ルービックキューブ立体商標登録を無効に

EU
2016年11月10日 ECJによるルービックキューブ立体商標登録の無効判決

本年11月10日、EUの最高裁にあたる欧州司法裁判所(ECJ)は、ルービックキューブの立体商標に関するEUTM登録を無効とする判決を下しました。これにより、EUIPOに登録無効審判が提起されてから10年間にわたる係争が終結しました。

このECJ裁判は、1999年にEUTMとして登録されたSeven Towns(英国のルービックキューブ管理会社)名義のルービックキューブの立体商標に対して、2006年にSimba Toys(ドイツの玩具会社)がEUIPOに登録無効審判を提起したところ、EUIPOの審決から欧州一般裁判所の判決に至るまで、当該EUTM登録が有効であると判断されてきたため、Simba ToysがECJに上訴していたケースです。

今回のECJ判決において、EUIPO及び欧州一般裁判所は、ルービックキューブの立体形状によってもたらされる外形上見えない回転機能を考慮すべきであったとして、ルービックキューブの立体商標登録を無効としました。更にこの判決では、存続期間が有限の特許権等によって排他的独占権が付与されるべき技術的成果や機能的特徴に関しては、永久的な独占権を得るために商標登録を利用してはならないことを示しています。

このECJ判決については、否定的な議論があると思われますが、少なくとも今後EUにおいて、立体形状に関する商標登録がより困難となることが懸念されるとともに、立体形状に関する既登録商標の有効性に対する見直しが必要と思われます。

(商標部 研壁)

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