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2017.05.18
特許庁から車で20分ほどの市街地に、模倣品市場があります。アシックス、アディダス、ナイキ等のスポーツシューズ、アパレルや、アルマーニのような服飾ブランドの模倣品が、あちらこちらの店で販売されています。筆者はかつて中国の模倣品市場を調査した際、最初に注意されたのは、撮影を控えることでしたが、ここではなんと、写真撮影は大歓迎です。どうぞどうぞ!と言われながら、極めて不思議な雰囲気の中で、写真を撮りました。
イランはここ数年、弊社でも出願のご依頼件数が少しずつ増えている傾向にありますが、今後は大きな成長が期待できます。模倣品や、冒認出願が多くなっている状況では、未然に防ぐためには早期な権利化が必要でしょう。特に先駆け登録商標に対しては、民事訴訟で無効にしなければなりませんので、放置すると案件が複雑化する一方で、イランでの安全な商標使用や権利行使にも影響が出ます。また、ベルヌ条約には未だ加盟していないため、著作権の行使も非常に困難である現状です。現地の事務所によると、意匠権での権利保護も、推奨できる状況ではないので、まずは商標権取得が模倣品対策の重要な鍵といえます。
イラン訪問のプランを立てる当初には、あまりにもネガティブな印象ばかりを持っていましたが、実際に訪問してみれば、印象が180度変わりました。イラン人は親切で仕事もとても真面目であり、何よりも異国からの客を温かく迎えてくれます。当初ビザ申請・ホテル予約を断った日本の旅行会社の「凄い国に行かれますね?」との言葉を再び思い出しました。確かに、「凄い」です。ただし、良い意味で。
また、イランでは、海外クライアントを持つ特許事務所は、これまでに数が少なく、数事務所の寡占状態でしたが、ここ数年競争が激しくなり、INTAへの参加や、海外での宣伝活動も積極的になってきました。送金の問題が早く解決されれば、イランの代理人は世界の舞台でも十分輝くことができるでしょう。弊社は今後も、日本の出願人の皆様に最善なサービスを提供できるよう、「凄い」代理人を探していくことをお約束致します!
(商標部 関口/範)
*注意*
現在の米国の政策では、2011年3月1日以降のイラン渡航歴がある日本人が米国に入国する際、短期滞在であっても、米国ビザの取得が要求されます(ESTAは認められません)。イランへの渡航をご検討される場合は、ご注意ください。