- 知財情報
- アーカイブ
2018.03.30
2018年3月22日 産業財産法の改正法案が可決
本年3月22日に、メキシコ議会において、商標に関する産業財産法の改正法案が可決されました。改正法は、まだ官報に公示されていませんが、官報に公示されてから60日後に発効します。改正法には、商標に関する非常に重要な改正が含まれています。特に注目すべき改正点は、以下の通りです。
1. 新たな使用宣誓書提出義務の追加
現行法では、更新時のみ使用宣誓書の提出義務がありますが、改正法により、登録後3年目から3ヵ月以内にも、使用宣誓書を提出しなければならなくなります。使用宣誓書を提出しない場合、当該登録は自動的に失効することとなります。この新たに要求される使用宣誓書の提出期限は、登録後3年目の3ヵ月間という短い期間であるため、登録維持管理には十分な注意が必要です。
2. 同意書制度の導入
現行法では、同意書は認められていませんが、改正法では同意書制度が導入され、同意書又は共存契約書の提出により、引用された先行商標を克服することが可能となります。但し、出願された商標が先行商標と同一商標かつ同一商品・役務の場合は、除外されます。
3. 異議申立制度に関する変更
現行法では、異議申立は通常の実体審査手続の中で検討されていますが、改正法により、異議申立が提起された場合は、実体審査が保留となり、異議申立単独で審査された後に異議決定が出されます。
4. 使用による識別力の規定を追加
識別力を欠くという絶対的拒絶理由の例外として、使用により識別力(セカンダリー・ミーニング)を有するに至った商標の登録を認める規定が追加されました。
5. 不登録事由に悪意を追加
異議申立理由または無効理由として、広義の悪意が追加されました。
6. 指定商品・役務の記述に関する変更
クラス・ヘッディングを指定商品・役務とすることは認められなくなり、商品・役務を具体的に記述することが要求されます。
7. 商標の定義の拡大
音声商標、匂いの商標、ホログラム等の非伝統的商標及びトレード・ドレスが、商標の定義に追加されました。
8. 証明商標制度の導入
改正法により、証明商標制度が導入され、証明商標出願が可能となります。
(商標部 研壁)