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2018.04.20

【ミャンマー訪問記2018】 [2] 現地代理人事情

前回記事にてお伝えしました通り、ミャンマーの知的財産諸法の法案が2月に下院の審議に入り、早ければ6月頃に成立が見込まれています。その後、知的財産庁の設置・施行規則の制定などのステップを経て出願制度が開始されることになります。にわかに出願制度開始が現実味を帯びてきましたので、2013年に続き現地視察を行って参りました。

今回はミャンマーの知財事務所の組織・規模や彼らの出願制度開始に向けた取り組みを一部ご紹介します。

■現地知財事務所
現時点で知的財産権を取扱うのは15か所程度でその多くは一般法律事務所、弁護士数は5名程度とのことです。他国を本拠とする国際事務所も5か所程度あります。

■出願制度に向けた取り組み(1)
新制度は先願主義が採用されるということから、特に商標に関しては、出願制度開始初日に世界中から多くの出願が殺到することが懸念されています。当局側・代理人側共に大量の出願をきちんと処理できるかが最大の課題ですが、現在は双方が頻繁に会合を持ちあらゆる方策を協議して出願制度へのスムースな移行を模索しており、その中でも以前の法案で盛り込まれていた移行期間(出願制度開始後、一定期間は登記済み商標の再出願を優先的に認め、当該期間内の再出願は同日出願として取扱う。再出願案件は方式審査のみ実施)も改めて検討されており、一部の代理人は確度の高い情報と考えています。

■出願制度に向けた取り組み(2)
ミャンマーの代理人にとっては、現在のシンプルな登記・新聞公告制度から正確性・迅速性が求められる複雑な出願制度へ移行することは非常に大きな変化と言えます。他国を拠点とした国際事務所は、本国スタッフをミャンマーに派遣し、またミャンマー人スタッフを本国へ派遣して研修を実施するなど、国際標準に則した教育を急ピッチで行っています。

以上のように、出願制度開始に向けて大きな動きが予想されますので、引続き最新情報の収集・発信に努めて参ります。

次回は首都ネピドー訪問をご紹介します。

(商標部:関・天野、特許部:北村)

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