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2018.06.18
・医薬品、農薬等について最初に取得した許可証と、特許請求の範囲の関連性について
最初に取得した許可証における「有効成分」の認定基準が、有効成分のフリー体から、有効成分そのものに変更された。よって、ある化合物の異なる塩、エステル、または水和物について取得した許可証は、それぞれ最初に取得した許可証として認められることとなる。例えば、延長登録の出願の根拠となる特許の請求の範囲が「化合物A及びその塩類」であり、出願人が同一用途について、化合物Aのギ酸塩、化合物Aのピロリン酸塩で、それぞれ前後して異なる許可証を取得した場合、それらの前後して取得した異なる許可証はいずれも最初に取得した許可証として認定することができ、出願人はその中の1つの許可証を選択して、それに基づき当該特許権の延長登録の出願をすることができる。
一方で、特許請求の範囲にフリー体のみが記載されている場合、特許請求の範囲に記載されていないフリー体の塩やフリー体の水和物に関する許可証を延長登録の申請に用いることはできないことが審査基準において明確化された。
・許可証の所有者について
許可証の所有者が特許権者と異なる場合における、所有者に関する認定要件が緩和された。改正後は、特許権者のほか、専用実施権者および通常実施権者が許可証の所有者であっても認められることとなった。
・試験期間等の認定について
医薬について、臨床試験期間の開始日・終了日の認定は、ICH(International Council for Harmonization of Technical Requirements for Pharmaceuticals for Human Use)のガイドラインにおける試験開始日・試験完了日であることが明確化された。
農薬について、承認申請の審査期間終了日の認定が、「農薬の許可証を実際に取得した日」から「農薬の許可証に記載された発行日」に修正された。また、「農薬に係る国内外の圃場試験は、各試験のうち所要時間が最も長いものを基準とする」という規定が削除された。
(記事担当:特許第2部 平林)