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2018.06.20
実施報告義務自体は順守すべきもの、との考えに変わりありませんが、「順守するには煩雑すぎる現行書式(Form-27)」に焦点が当たる展開となり、書式変更を含むルール改正へと議論が煮詰まってきたのでした。
3月15日の裁判所命令に応じ、被告インド特許意匠商標総局(インド特許庁)は、ルール改正に向けたスケジュールを裁判所に提出。これが受領される形で、4月23日に最終判決が下されました。以下、判決の骨子を紹介します。
関連法規
・特許法第83条(特許発明の実施に関する一般規定)
「特許とは、特許権者が特許対象物の輸入を独占することを可能にすることだけのために認められたのではない…。特許発明の恩恵を公衆に手の届く価格で利用しうることを可能にするために認められた」と明記。
・特許法第146条
2003年特許規則131条に基づく特定フォーム(Form-27)で特許発明の実施に関する情報の提出を特許権者に要求する権限を特許庁長官に付与
・特許法第122条
規則131条違反に対する罰則(罰金または禁固刑)を規定
デリー高等法院(Delhi High Court) W.P.(C)5590/2015
Shamnad Basheer (Petitioner) vs. Union of India & Ors (Respondent)
4/23/2018判決
「…本件訴訟においては、1970年(改正)特許法第146条、2003年特許規則131条およびそこに規定されたForm-27、特許法第122条規定の実施に係るいくつかの問題に関連し、改正の必要性が特許庁によって調査された。具体的には、2018年4月6日にステークホルダー・ミーティングが開催された…。
当裁判所の2018年3月15日付命令に基づき、特許庁からは以下の改正スケジュールが提出された。
改正スケジュール *()内は必要とされる時間
パブリックコメント募集 3/23/2018まで
=> 特許庁ウェブサイト上でパブリックコメント公開 4/2/2018
=> ステークホルダー・ミーティング開催 4/6/2018
=> さらなる意見聴取および特許実施に関する各国運用の研究(1ヵ月)
=> 特許庁による特許規則第31条/Form 27の改正案作成(1ヵ月)
=> 規則31条/Form 27改正案に対する所管当局(Competent Authority)の承認(1ヵ月)
=> 規則31条/Form 27改正案の公報告示およびコメント募集(2ヵ月)
=> 規則31条/Form 27改正最終案の当局への提出(1ヵ月)
=> 法務省及び関連省庁間の審査(2ヵ月)
=> 所管当局による規則31条/Form 27改正の承認(1ヵ月)
=> 予備期間(不測の遅延を考慮)(2ヵ月)
当裁判所は、提出されたこのスケジュールを受け入れる。このスケジュールに沿って、遅滞なく改正作業が進められなければならない。作業が終了次第、特許庁は当裁判所に対しその旨報告するものとする。
以上に鑑み、法の厳格な執行を求める本件申立に対しさらなる手続きは不要と判断し、本件手続はここで終了する」
さて、問題はForm-27がどのように変わるのか、そしていつ変わるのか。提出されたスケジュールでは、来年3月末の提出期限に間に合うか微妙なところですが・・・さすがに来年は難しいでしょうね。
いずれにしましても、正式に決まった場合、NGB年金管理サービスユーザー様には、弊社年金管理部より正式なご案内をいたします。もちろん、本コーナーでも一報するつもりです。
(営業推進部 飯野)