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2020.01.23

インドネシア特許「未納付年金」に関する最新情報※特許庁は特許権者に対し、以下の要求をしています。 - Commitment Letterの提出(期限: 1/31) - 未納付年金の納付(期限:7/31)

インドネシア旧法(2001年14号法)において権利放棄後に発生しております「未納付年金」の対応につきまして、既に複数のインドネシア代理人からも報告がなされているかと存じますが、旧法下で放棄済みの特許に発生した、いわゆる「未納付年金」に関する発表が2019年12月末にインドネシア特許庁のウェブサイト(https://www.dgip.go.id/)になされましたことをご案内致します。(2020年1月21現在 この発表がWEB上に表示されるかは不明な状況です。)
この発表において以下の3点が通知されております。(発表内容については、複数の現地代理人から提供された英訳をもとに和訳をしています。)

1. 特許権者は年金を支払う能力があることを示したCommitment Letterを提出しなければならない。
2. Commitment Letterの提出は、2020年1月31日までになされなければならない。
3. 未納付年金の納付について権利者は2020年7月31日までの納付期限を与えられる。

年金管理を現在弊社にご依頼頂いており、旧法下でのインドネシア特許の放棄実績があるお客様には、本発表内容を既にご案内させて頂いております。 弊社では本件に関し引き続き情報を入手し、進展があれば改めてご報告させて頂く予定です。

(年金管理部)

[補足]
旧法における「未納付年金」発生及び本発表に至るまでの経緯につきまして、以下のとおりご説明申上げます。

旧法の115条においてインドネシア特許には最大で3年の追納期間が与えられておりました。この条文を根拠とし、特許は年金の納付を停止してもすぐに失効とはならず最大で3年間権利が維持され、その期間の年金が追徴金を伴って発生するという運用が取られておりました。2016年8月26日施行の法改正により115条は削除されましたが、旧法において発生した、いわゆる「未納付年金」は権利者がインドネシア共和国に対して有する債務であるとし依然として納付が求められております。

放棄決定済みの特許に対して不要な年金を発生させないための対応として、弊社では2015年4月より、インドネシア特許の放棄をご指示頂きました場合には現地特許庁への積極的な放棄申請手続きの要否を確認させて頂いておりました。また同時に、すでに発生している「未納付年金」について納付代行サービスを提供させて頂いております。

その後、2018年8月16日付の回報により現地特許庁から「未納付年金」の納付期限を当該回報の日付より6ヶ月とすることが発表され(2019年2月17日付の回報にて6ヶ月の延長を発表)、期限内に納付を行わない権利者の新規特許出願を受理しない可能性があることについて言及がなされました。

さらに2019年8月5日付にて本件に関する督促が現地代理人に対してなされ、以下の4点が通知されました(これは書簡として送達されたのもではなく特許庁のウェブサイトにてポップアップという形が取られたとのことです)。

1. 未納付年金の納付期限は2019年8月17日であること
2. 納付の意志があるものの技術的な問題があって納付できない権利者はその旨を特許庁に通知できること
3. 納付済みの件についてはその詳細を特許庁に知らせてほしいこと
4. まだ納付していない権利者の新規特許出願は、納付が完了するまで更なる手続きがなされないこと

しかしながら対応期限までに十分な時間がなかったために、この督促に対し上記2あるいは3の対応がなされた事例は少なかったようです。

既に現地特許庁が回報で通知した納付期限(6ヶ月の期限延長を経て最終的には2019年8月17日)を経過しておりますが、2019年2月17日付の回報以降、2019年12月26日までの間、本件について現地特許庁から正式な発表はなされておりませんでした。 一方で現地特許庁は2019年8月19日以降出願手続きを電子化したことに伴い、「未納付年金」が残っていると思われる権利者の新規特許出願について、受理後手続きを保留するという措置を開始しております。また一部の現地代理人から「2019年中に未納付年金の納付を完了させてほしい」との連絡が現地特許庁からあったとの情報も寄せられておりました。

今回の発表は、2019年12月26日付でインドネシア特許庁のホームページにアクセスするとポップアップされる形で行われました。

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