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2020.01.30
張 華威
概要:
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、中国国務院は春節休暇期間を3日間延長することを決定し、具体的には2020年2月2日まで祝日とすることを発表しました。これを受けて、中国知財局は専利、商標、集積回路配置設計の各種期限について、特別な対応措置を行うことを示しました。
原文URL:
http://www.cnipa.gov.cn/zfgg/1145684.htm
具体的対応措置:
1.期限の延長について:
春節期間中に満了する専利、商標、集積回路配置設計に関する各種期限は、国務院が延長した2020年春節休暇後の翌営業日まで延長されます。
2020年1月29日現在の情報では春節休暇は2月2日まで延長されておりますので、春節期間中に満了する各種期限は2月3日まで延長されます。仮に今後中国国務院事務局が春節休暇期間の再延長を発表した場合は、各種期限も休暇後の翌営業日まで延長されます。
なお、地方の政府が独自にその地域における休暇期間をさらに延長することを発表している場合がありますが、上記期限延長措置の適用は中国国務院が発表した情報を基準としておりますので、ご注意ください、
2.権利の回復について:
新型コロナウイルス事情に関連する原因により、専利法、専利法実施細則に規定される期限又はCNIPAによる指定期限を徒過し、権利が喪失した場合は、専利法実施細則第6条1項の適用をうけることができます。すなわち、当事者は障害が排除された日から2か月以内で、無償で権利の回復を請求することができます。
注意しなければならないのは、上記の適用を受けるためには、新型コロナウイルス感染の影響によることが条件となっており、
1 権利回復申請書を提出し、
2 理由を説明し、
3 関連する証拠を提出し、
4 申請と同時に本来行うべきだった手続を行う
必要があります。
新型コロナウイルス事情に関連する原因により、商標法、商標法実施条例に規定される期限またはCNIPAによる指定期限を徒過し、正常に商標事務を行うことができなくなった場合は、法律により別途定めがある場合を除き、期限は障害発生日より中止(カウントがストップ)します。障害が排除された場合は、期限はその日から再度進行します。
障害により商標にかかる権利が喪失した場合は、当事者は障害が排除された日から2か月以内に、無償で権利の回復を請求することができます。回復には専利と同様に新型コロナウイルス感染の影響によることが条件となっており、
1 書面による申請を行い、
2 理由を説明し、
3 関連する証拠を提出する
必要があります。
新型コロナウイルス事情に関連する原因により、集積回路配置設計保護条例及びその細則に規定される期限又はCNIPAによる指定期限を徒過し、権利が喪失した場合は、集積回路配置設計保護条例実施細則9条1項の適用をうけることができます。すなわち、当事者は障害が排除された日から2か月以内で、且つ遅くとも期限満了日から2年以内に、無償で権利の回復を請求することができます。
注意しなければならないのは、上記の適用を受けるためには、新型コロナウイルス感染の影響によることが条件となっており、
1 権利回復申請書を提出し、
2 理由を説明し、
3 関連する証拠を提出し、
4 申請と同時に本来行うべきだった手続を行う
必要があります。
いずれも無償で回復をするためには、期限の徒過が新型コロナウイルス事情に関連する原因によることを立証することが求められます。
専利または集積回路配置設計の場合、仮に上記立証に失敗して無償の回復が認められなかったとしても、専利法実施細則6条2項または集積回路配置設計保護条例実施細則9条2項の正当な理由による有償の回復の余地はあります。これに対し、商標の場合は、立証に失敗すると救済ができなくなるリスクを伴いますので、くれぐれもご注意ください。
以上
※中国知財局の最新対応状況につきましては、こちらを併せてご参照下さい。
[日々更新!] 世界65ヶ国(地域)特許庁の新型コロナ感染症対応状況一覧
https://www.ngb.co.jp/ip_articles/detail/1761.html