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2021.12.28

顧問 張華威

【特許・意匠ニュース】中国:「知的財産強国建設要綱(2021-2035)」及び「十四五国家知財保護及び運用計画」を発表

2021年9月22日、中国共産党中央委員会及び中国国務院が共同で「知的財産強国建設要綱」を発表した。同要綱では、以下の目標が掲げられている。
「2025年までに、知財強国建設は顕著な成果を獲得し、知財の保護がより厳格になり、社会満足度が比較的高い水準に達し且つ維持され、知的財産の市場価値がさらに突出し、ブランド競争力が大幅に向上し、専利密集型産業の付加価値がGDPの13%を占め、版権産業の付加価値がGDPの7.5%を占め、知財ライセンス料の年間輸出輸入総額が3500億元に達し、高価値特許保有量が人口1万人につき12件に達する。
2035年までに、我が国(中国)の知的財産総合競争力は世界の前列に立ち、知的財産関連制度が完備し、知的財産がイノベーションと創業の生々発展を促進し、全社会的な知的財産文化が自発的に基本的に形成され、全面的にグローバルガバナンスに参加する国際協力局面が基本的に形成され、中国の特色のある世界レベルの知財強国をほぼ築き上げる。」
その後まもなく、中国国務院は2021年10月9日に「十四五国家知財保護及び運用計画」を発表し、より具体化した目標及び計画を示し、各省庁、直属機関、及び各地方政府に対し執行するように命じた。なお、「十四五」とは、中国の国民経済及び社会発展のための14番目の5年計画を意味し、期間は2021年から2025年までとなっている。

指標 2020年 2025年
1.人口1万人当たりの高価値特許保有数(件)※1 6.3 12
2.外国特許登録数(万件) 4 9
3.知的財産質権融資登録金額(億元)※2 2180 3200
4.知的財産使用料年間輸入輸出総額(億元) 3194.4 3500
5.専利密集型産業付加価値のGDPに占める割合(%) 11.6※3 13
6.版権産業付加価値のGDPに占める割合(%) 7.39※4 7.5
7.知的財産保護社会満足度(点) 80.05 82
8.知財民事第1審判決承服訴訟完結率(%) 85

※1 本国の居住者1万人当たりが保有する下記条件を満たすCNIPAにより登録された特許の数量をいう①戦略的新興産業の特許、②外国にファミリーがある特許、③維持年数が10年を超える特許、④高額な質権融資を実現する特許、⑤国家科学技術賞、中国専利賞を獲得した特許。
※2 CNIPAにおいて登録されている知財質権融資金額
※3 ※4 2019年の数値

このほか、同計画では、地理的表示および営業秘密の分野における保護強化及び立法、植物新品種保護条例の改正と1991年UPOV条約への加入に関する研究、そしてビッグデータや人工知能、そして遺伝子技術に関するデータ保護、審査品質の向上と審査期間の短縮など多岐な内容が盛り込まれている。
日本では、2002年に小泉純一郎首相が知的財産立国の国家戦略を打ち出した後、知的財産基本法が成立し、各企業では知財担当者及び知財活動費の増加がみられた。今般の「知的財産強国建設要綱」は中国が国を掲げた重要な地位を有する国家戦略であり、政府、裁判所、業界団体、企業が一斉に目標に向かって突き進み、中国国内で更なる知財ブームを引き起こすことが予想される。

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