- アラブ首長国連邦
- 法律・法改正
2022.02.18
特許部 田中 一正
アラブ首長国連邦は2021年5月31日に「産業財産権の規制と保護に関する2021年連邦法律第11号」(以下「新法」)を公布しました。新法による主な変更点としては、例えば以下が挙げられます。なお、Abu-Ghazaleh Intellectual Property事務所(以下、AGIP事務所)の情報によると、新法の効力は2022年1月2日から施行規則の公布とともに発生する予定でした。しかしAGIP事務所のUAEオフィスに確認したところ、新法の施行規則は2022年1月14日時点で未だ公布されていないようです。
■グレースピリオド
特許、実用新案証、および意匠の出願に関して、発明者または発明者から直接的または間接的に情報を入手した第三者による情報の開示は、その開示が出願日から遡って12か月以内のものである場合には、発明の新規性を損なわないことが新たに規定されます。
■分割出願
複数の発明が含まれている、特許または実用新案証の出願の出願人は、分割出願を行うことが可能となります。
■早期審査
特許および実用新案証の出願に関して、出願人の申請により、早期審査が認められる場合があることが新たに規定されます。早期審査の要件などの運用詳細やPPH協定に参加するか否かは現時点で不明です。
■実用新案証の特許出願への切り替え
施行規則に定められた条件に従って、実用新案証を特許出願に切り替えることが可能となります。
■意匠
意匠の保護期間について、旧法による保護期間は出願日から起算して10年であったところ、新法では20年に延長されます。
■意匠出願の実体審査
意匠出願に実体審査(新規性審査)が導入されます。
これらの新法による変更の詳細は、施行規則により規定される予定です。施行規則がいつ公布されるか不明ですが、弊社では引き続き情報収集および調査を進めて参ります。
(参考)
・情報源:AGIP事務所(アラブ首長国連邦、他)
https://www.agip.com/News/en/key_news/20523
https://www.agip.com/News/en/key_news/20626
・情報源:ROUSE事務所(アラブ首長国連邦、他)
https://rouse.com/insights/news/2021/uae-changes-to-patent-and-designs-law
・情報源:SABA IP事務所(アラブ首長国連邦、他)
https://www.sabaip.com/news/innovators-rejoice-a-new-law-is-coming-to-the-uae/