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2022.07.28

特許部 中澤正一郎

【特許・意匠ニュース】カナダ、改正特許規則 2022年10月3日発効

(本記事は音声コンテンツとしても配信しております)

2022年10月3日にカナダ特許規則の改正が発効します。

今回の改正では、カナダにおける特許審査に対して、主に下記1~3の変更が導入されます。
1. 超過クレーム費用の導入
2. 継続審査請求(RCE)の導入
3. 条件付認可通知の導入

1.超過クレーム費用の導入
2022年7月現在、カナダ出願には、クレーム数に応じた超過費用は存在しません。しかしながら、今回の特許規則改正により、クレームの総数が20を超える場合、1クレームにつき100カナダドルの費用が課されることになります。この超過クレーム費用は、本規則改正の発効後(2022年10月3日以降)に審査請求された出願に対して適用されます。超過クレーム費用は、審査請求日から最終費用納付日までの間にクレーム数が変動した場合、最大のクレーム数に基づいて計算されます。

この費用を回避あるいは最小化する方法として、以下の対応が挙げられます。

i) 本規則改正の発効前(2022年10月3日より前)に審査請求を行う。
ii) 多項従属クレームを活用する*。
*多項従属クレーム(マルチクレーム)および多項従属クレームを引用する多項従属クレーム(マルチ-マルチクレーム)に関する追加費用はありません。

2.継続審査請求の導入
2022年7月現在、カナダ出願では、認可通知(Notice of Allowance)または拒絶査定(Final Action)を受領するまで、オフィスアクションの発行回数に制限がありません。しかしながら、今回の特許規則改正により、3回目のオフィスアクションへの応答時およびその後は2回目のオフィスアクションへの応答時ごとに継続審査請求(Request for Continued Examination)と費用(816カナダドル)の支払いが必要となります。

本規則改正の発効前(2022年10月3日より前)に審査請求を行うことで、継続審査請求制度の適用を回避することができます。

3.条件付認可通知の導入
今回の特許規則改正により、軽微な欠陥を補正により解消すれば認可可能であることを出願人に通知するための条件付認可通知(Conditional Notice of Allowance:CNOA)が新たに導入されます。出願人がこの通知を受け取った場合、指摘された欠陥を解消するための補正書と最終費用を支払えば、出願は認可されます。

(参考)
Canada Gazette, Part I, Volume 155, Number 27: Rules Amending the Patent Rules
https://canadagazette.gc.ca/rp-pr/p1/2021/2021-07-03/html/reg3-eng.html

LEXOLOGY, Amendments to Canadian Patent Rules Coming Into Force October 3, 2022
https://www.lexology.com/library/detail.aspx?g=f2b1d235-2218-401a-b165-b7560e04e9b7&utm_source=lexology+daily+newsfeed&utm_medium=html+email+-+body+-+general+section&utm_campaign=lexology+subscriber+daily+feed&utm_content=lexology+daily+newsfeed+2022-06-24&utm_term=

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