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2022.10.13

特許部 高橋卓也

【特許・意匠ニュース】欧州統一特許制度 最新ロードマップ公表 制度開始予定日は2023年4月1日

2022年10月6日、統一特許裁判所(UPC)の準備を進めているUPC管理委員会は、UPC開始に向けた最新のロードマップをUPCのWebサイトにて公表しました。今回のロードマップで示されている主なイベントのタイミングは、以下のとおりです。
2022年12月19日~23日 ドイツによるUPC協定の批准
2023年1月1日 事前オプトアウト申請を受け付けるサンライズ期間開始
2023年4月1日 UPC協定発効→制度開始

ロードマップでは、UPCの人事とシステムに関連する事項を中心に、2023年4月1日という具体的なUPC開始のターゲット日に向けたスケジュールが1週間単位で示されています。これまでUPC管理委員会は、セミナー等の場で同様のロードマップを公開することがありましたが、Webサイトに掲載するのは今回が初めてです。ドイツによるUPC協定の批准をクリスマス直前に見込んでいるという点も具体的で、これまでより実現可能性の高いスケジュールとしてWebサイトでの公開に踏み切ったのではないかと予想されます。

2022年7月の前回記事からのアップデートとして、UPCのシステムであるCMS(Case Management System)へのログインの際の認証方法が強化され、欧州のeIDAS規則に準拠した電子認証が必要になったという点も挙げられます。2022年9月30日のUPCのITチームの発表によれば、この強化された認証を必要とするCMSのリリースは2022年10月末となる見込みです。CMSについては、誰でもオプトアウトを申請できしてしまうのではないかという点が懸念されていましたが、今回の認証方法の強化によりこの懸念に対して対策が取られた形となります。このこともロードマップを開示するに至った理由の一つになっているものと思われます。

ドイツがUPC協定を批准すると、規則71(3)通知が発行されている欧州特許出願について単一効特許取得のための事前手続きが可能となります。すなわち、今回発表されたスケジュールどおりに2022年12月にドイツがUPC協定を批准する場合、現在71(3)通知が発行されている欧州特許出願についても単一効特許取得の可能性がある、ということになります。

弊社では、欧州統一特許制度の開始に向けてお客様に適切な対応をご案内できるよう、UPC協定の署名が行われた2012年に欧州統一特許チームを立ち上げ、情報収集及び関連サービスの準備を進めて参りました。

弊社サービスに関するお問い合わせがございましたらこちらのフォームからご連絡ください。

(本記事は音声コンテンツとしても配信しております)

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