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2024.06.24
商標部 関口
WIPO(世界知的所有権機関)の情報によりますと、カタール政府は、2024年5月3日付にてマドプロへの加入書をWIPOに寄託し、8月3日に発効することになりました。これにより、同日以降、マドプロ商標出願において、カタールを指定することが可能となる見込みです。しかしながら、WIPOの発表以降、カタール国内では、いまだ公式なアナウンスはされておらず、制度導入に際しての正確な情報は、明らかになっていません。
マドプロ出願では、認証済代理人委任状が不要になる等、簡便さを享受できる面もある一方、マドプロによる商標登録は、国内法との整合性が確認できない場合、権利の有効性に懸念があるとの説もあります。また、これまでアラビア語にて出願手続き、審査を行ってきたカタール当局が、英語を使用してのマドプロ諸手続きにスムースに対応できるのか、指定商品の表記等、何らかの齟齬を生まないかとの現地代理人の声もあります。同国のマドプロ利用は、それら懸念点を考慮した上で、当面は慎重に検討すべきでしょう。