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2024.11.18
商標部 関口
ブラジルはこれまで、企業の広告的スローガンを商標として登録することを認めていませんでした。しかし、2024年10月30日にブラジル知財庁本部にて行われた商標局と商標オーナー達の協議会において、商標局は、スローガンを含む商標の出願を受理する旨発表しました。商標オーナーの積年の要望が、商標局との対話を経て、実現された形といえます。知的所有権法124条VII項では、「広告の手段としてのみ使用される標識または表現は、商標として登録できない」と定められておりますが、新たな解釈を加えることとし、2024年11月27日に商標マニュアル(規則)が修正される見込みです。
これまでスローガンと見做され門前払いとなっていた商標出願が認められることにはなりますが、従来の商標出願同様、登録には一定の識別性が求められます。ブラジル当局は、その基準を「オリジナリティ」と称し、単なる製品・サービスの推奨、品質の公表、企業コンセプト・価値観の表示等は、プロモーション機能のみであり、オリジナリティを満たさないと判断されます。過去に諦めたブラジルでのスローガン商標登録を再考する好機といえますが、そのスローガンはオリジナリティを具備しているのかを、まずは現地代理人と相談、確認する必要があるでしょう。
ブラジル知財庁では、ステークホルダーとの対話プロジェクトとして、今後もユーザー目線での知財サービス向上を目指した協議会が行われる予定であり、期待が寄せられています。