SEMINARセミナー情報

  • 欧州
  • 商標

2024.09
商標部 西原

【セミナー開催報告】 外国商標セミナー2024「欧州商標併存合意交渉・契約の模擬演習(実演)セミナー」

アーカイブ・レポート

NGB外国商標セミナー2024「欧州商標併存合意交渉・契約の模擬演習(実演)セミナー」を2024年8月30日(金)、弊社会議室(東京会場)にて開催いたしました。なお、台風10号の接近に伴う交通機関の混乱が予想されましたため、8月28日(水)の大阪会場での開催はやむを得ず中止とさせていただきました。台風の影響によりご参加いただけなかった皆様には、代替となる情報ご提供の手段を検討のうえ後日あらためてご案内を差し上げる予定です。

欧州連合知的財産庁(EUIPO)における商標異議申立事件の約60%が異議決定を待たずに終結しています。つまり、60%近くの商標異議申立事件が併存合意交渉等の交渉を通じて当事者間で決着しているものと推測されます。さらに、2024年4月の日本商標法改正によるコンセント制度の導入に伴い、今後日本出願・登録も含めた併存合意交渉・契約の機会が増加することが予想されます。一方で、他社との併存合意交渉・契約に慣れていない日本企業は多いように見受けられます。

このたび、欧州における知的財産に関する紛争解決、契約実務に精通したGrünecker事務所(ドイツ)のAnja Franke弁護士をお招きし、欧州商標案件を多数経験しているNGBスタッフと共同で、併存合意交渉・契約のセミナーを模擬演習(実演)形式にて実施しました。模擬演習のストーリーは、自社の欧州連合商標出願(EUTM)に対して海外企業から異議申立を受けた日本企業の商標担当者がNGBに相談に訪れるシーンから始まり、模擬演習及び解説を通じて、以下の内容を取り上げました。

    ・欧州出願、異議申立の統計・傾向
    ・欧州出願、異議申立制度に関する基本的な知識
    ・併存合意交渉に入る前に準備すべきこと
    ・欧州併存合意に関する過去の裁判例
    ・併存合意交渉において考えられる交渉材料
    ・併存合意契約のチェックポイント
    ・日本企業の皆様への提言

セミナー前半では、日本企業がEUTM出願において異議申立を受けた場合を想定、セミナー後半では、逆に日本企業が類似商標の他者後願に対して異議申立を提起する場合を想定しました。実例として設定した事案への対応検討を通じ、個別・具体的な議論から出発して総論的な学びまでを導き出したうえ、重要なポイントを明確にまとめてNGBスタッフがご説明いたしました。トピックは、海外企業との交渉に際しての心構え、長期的な戦略立案方法にも及びました。ご受講中の皆様がQRコードを用いてご自身のスマートフォンより課題への回答を入力いただき、さらに、スマートフォンにてお寄せいただいたご質問をもとにFranke弁護士が回答する形で質疑応答を進めるなど、双方向での学びもご体感いただいたものと思います。

結びに、Franke弁護士からは、NGBとの長年にわたる協力関係への感謝の意を表明いただいたうえ、「日本企業の皆様への提言」として、商標併存契約の有用性、商標調査実施の重要性、広い視野をもって前向きに交渉に臨むことの意義について確信のこもったお言葉をいただきました。弊社としても、お客様に種々の局面でご安心いただけるよう、これまで以上に総合的、積極的なご提案を差し上げるべく努めてまいります。今回のセミナーを通じ、併存合意交渉・契約に関する知識を習得し、今後の実務にお役立ていただく機会としていただきましたら幸いです。

セミナーにご参加いただきました皆様にあらためて御礼申し上げます。NGB商標部では、今後も、お客様のご興味にお応えするセミナーを企画・開催してまいります。セミナーについてのご要望等がございましたら、ぜひお問合せフォームよりご連絡いただきますようお願い申し上げます。また、商標に関するお悩みごとやご相談にも対応しておりますので、どうぞお気軽にご連絡ください。

参加受付中のセミナー

受付中のセミナーはありません。

その他のアーカイブ・レポート

お役立ち資料
メールマガジン